全国自粛の嵐である。

が、本当に有効なのか、たいていの人は知らない。号令をかけている人自体が知らないのである。

どんな計算式と基礎データに基づいて20%まで接触を削減するのか、余り知られていない。

どうやら、再生産数2.5として計算して、6割接触を減らすといいようであるが、さらに厳しく見て8割としているらしい。

しかし実際はよく分からない。というのも感染の基礎データがないからである。

さて、我々がすべきことは何か。

 

まずは、感染者データの把握である。

今の感染者数データは、厳しい基準をクリアしてようやくPCR検査を受けられた人を対象としている。このデータを元に公衆衛生の方針など立てられる訳がない。実際にウィルス保有者が市中にどの程度いるかというのが、必要である。ある母集団をピックアップし、PCR検査を行い感染者の割合を把握すべきであろう。無症状感染者が多いという報告もあるので、知らずに感染して治ったという人も考えて抗体検査も必要であろう。

データ重視の大学や研究所が、なぜ調査を行わないのか。政府は400億のマスクを買うより、1億円出して調査を行えばいいのではないか。1000人くらい調べればいいだろう。

慶応大学病院は患者数十人を調べて、6%という陽性を確認している。これは恐ろしい数値である。患者と市中のの人々の差はあるかもしれないが、東京都の感染者数3800人強(4月25日辞時点)と比較して二桁は大きい。大都市圏の人間に相当数の感染者がいるなら、ここを起点に感染が広まっていくに違いない。それを知られるのを恐れて調査ができないのではないか。

 

また、早急に正すべきは念力主義である。願ったら願望が叶うと何となく思い込んでいるが、願望は願望でしかない。願望を叶えるために何か好きなものを我慢する、という考えがあるが、こんなことに根拠はないことは自明である。が、自粛自体が美徳のように思い込み、他人にも強要する人が居るのは、愚かなことではないか。

被害を最小限にするためには、データ採取と対策である。この被害には、経済的なものも含まれる。命か経済かの二者択一ではない。明確な根拠に基づかなければ、両方失われる。