朝、母から電話があった。
送ったミニマフラーとフットカバーが届いたのだ。
「ありがとう〜
あんた上手に編めるんだね〜。習いに行ってるんだっけ?」
「うん、わからないところを直に教えてもらえるっていいよ
」
「そう、よかったねぇ。私の母も編み物上手でね、いろーんなもの編んで作ってくれたよ。やっぱりあれねぇ、DNAっていうの、あれってあるのねぇ〜
!」
母から、自分の母親の話が出ることは珍しい。
それというのも、母がまだ若い頃に亡くなってしまったからだ。だから私は、おばあちゃんの顔も趣味も知らない。
本当にDNAによる隔世遺伝かわからないけど、母が語る「母」の思い出によれば、数学が得意で編み物が好きで、
「そういうところがあんたに似てるなぁって、思うのよねぇ」
写真もなくて顔もわからない、私の知らない私のおばあちゃん。
でも何か、その人から受け継いだものが私の中にあるんだとすると、それはもしかすると素晴らしい贈り物なのかもしれない。
若くして亡くなったというその人の、できなかったことをしよう。編んだことのなかったかもしれないものも、これから色々編んで、母に送ってあげよう。
「親孝行は、したい時には時遅し、ってこともあるのよ」
と以前に母が言ってた。私にとっては、まだ遅くはないよね。