かつてワンガリ・マータイさんのアフリカでの話を石先生から聞いたことがあった。
そのマータイさんがノーベル平和賞を受賞した。
日本での環境問題の研究者であり、アフリカの環境問題も古くから研究していた石先生とマータイさんが、世間で無視されてきた環境問題に地道に取り組んできたことにとても興味があった。
そこで石先生にブログに載せたいのでということでマータイさんとの交流について書いてもらいました。
講演会の中でもきっとこんな面白いお話が聞けるかも??
今から講演会が楽しみです~~~。
あ~~講演会が待ち遠しい~~!
by スタッフ
ワンガリ・マーサイさんのこと
石 弘之
先ごろ来日したケニアの環境保護活動家でノーベル平和賞を受賞したワンガリ・マーサイさんは、日本では死語となった「もったいない」という語の復権を叫んで風のごとく去っていった。1977年に有志と創設した女性中心のNGO「グリーンベルト運動」を率い、単なる自然保護運動ではなく、植林を通じて貧しい人々の社会参加の意識を高め、女性の地位向上などケニア社会の民主化に結びつけるために奮闘してきた。
モイ大統領の専制下にあったケニアで、この運動は危険視されて政府に弾圧され、何回も逮捕された。最初に彼女のことを知ったのは、私がナイロビの国連環境計画(UNEP)で働いていた1980年代半ばのことだ。当時のモイ大統領がナイロビ市内に計画していた公園の予定地に入り込んで、植樹を強行したことから大統領の怒りを買って、はじめて逮捕されたときだった。その公園は大統領を記念するモニュメントが飾られるはずだった。
彼女の釈放を要求する国連職員の署名を手伝ったことがきっかけで、間もなく釈放された彼女に会った。これ以来知り合いになり、ときどき会ったり、彼女に頼まれてグループで話をしたりするようになった。だが、その後も政府の意向に反して植林運動を展開し、あるいは政府が開発を認めた森林の保護運動を執ようにつづけたために弾圧はつづいた。「拷問されて運動を止めるように脅迫された」とも語っていた。
だが、2002年には得票率98%の圧倒的支持を得て国会議員に当選し、2003年にキバキ新大統領のもとで副環境相に就任、そして2004年にノーベル平和賞を受賞する栄誉に輝いた。「グリーンベルト運動」は大きく育ち、現在、ケニア全土に約1500カ所の苗床を持ち、植林に参加する女性は約8万人に達し、植林した苗木は3000万本にもなった。近隣国にも運動は広がっている。
アフリカは、貧困、エイズ、民族抗争、政治腐敗などを深刻な問題をたくさん抱えているが、とくに環境は深刻化する一方で、その悪化がさらに貧困を招く悪循環にも陥っている。各地に芽生えてきた環境保護運動が、彼女の受賞によってさらに大きく育つことを心から祈りたい。
