一ヶ月後。
おじぃを連れて、自宅から6分の病院へ。
おじぃもM先生との再会が楽しみだったらしく
今回は駄々をこねずに通院。助かる。
(転院の処理など幾つか面倒だったけど忘却)
暫く待って診察室に入ると、M先生が微笑み
元気してましたー?!懐かしいなぁ!
僕を覚えてますか?と話しかけてくれた。
おじぃも、わかる、わかる、と答えた。
M先生、結構お声がでかい。
集中すれば、おじぃでも聞き取れるほど。
今までの医大の先生は何言っているのか
聞き取り難くて、え?え?と耳の良い私でも
分からない事があった。
担当医との相性だいじ。
M先生はテキパキと、おじぃの診断書や薬を
見てくれて、これは必要なし、これも、と
医大の○君は何を考えているんだ、理解不能と
ぶつぶつ、漏らした。
M先生は、正直なのだな。
脊髄小脳変性症の進行はゆっくりで
15年前とは、少ししか違ってないらしい。
驚くべきM先生の記憶力。
「酷かったからね、覚えてるよ」
と、笑っていらした。
私はその頃を知らないので興味津々で
聞いていた。
「進行はゆっくりだけど、前みたいな飲酒は
当たり前だけど強烈に進むから。
だめですよ、本当に」
釘を何本も刺された。
頼むよ、おじぃ!
おじぃは、飲んでないー!と嘘をついた。
前みたいに飲んでないの意味か。
どちらにしろ、料理酒も隠してる身にもなれ!
後、おばぁを怒鳴って酒を買わせるのやめろ!
それから、M先生はおじぃが毎日飲んでいる
ラコールという栄養補助飲料を一蹴する。
「これね、胃ろうで使うのはいいけど、
経口はきついよ。
マズイ、飲めたもんじゃない。
こっちの方を僕は奨めます」
と、エンシュアリキッド、というものに
替えてもらった。
私は飲んだことはないのだけれど、
確かにラコールはむっとする臭いがあった。
おじぃが少しでも楽なら、それがいい。
おじぃと二人で良かったね、と言い合って
缶入りのエンシュアリキッドを1ケース頂く。
ほくほくで帰宅して、おばぁに報告する。
そうか、そうか、と聞いていたおばぁは
エンシュアリキッドに替えた、という所で
カッ!と目を見開いた。
「なんでや!あれ、缶やろ!?!
私が頼んでパック入りのラコールに
替えてもろうたのに!!」
ババァ、おまえか!!!!!
経口では不味くて飲めたもんじゃない、
エンシュアリキッドはマシらしいよと
説明してみても
「缶棄てるの面倒やんか!
パックでええやないか!」
どうしても、おじぃが楽になるよりも
自分が缶を棄てるのが気に食わないらしい。
私が棄てるから大丈夫、と言っても
「缶を洗わなきゃならん!」
それくらい、やれや!!!
1時間かけて洗うつもりか。
数秒やんけー!
棄てにいくのだって、自宅の門戸から5秒で
何も大変なことじゃないってのに。
くそばばぁの闇は深い。