仏間にいたみーちゃん(おばぁ姉)は貰い泣きし
「この人、死ぬつもりやったんやて……、
あんたが見つけてくれたんやな。
ありがとうなぁ」
と言った。
百歩譲って、死が頭を過ったとしても
実行するつもりはなかったと思う。
おばぁの性質から言って、まずない。
痛いのが苦手だし、病弱なおばぁは
生への執着心が並々ならぬ程にある。
何度も生死の境を彷徨って生還したおばぁは
一日でもいいから長生きしたいが口癖。
第一、夜道をてくてく歩いてるだけで
どうやって死ねるというのか。
車に飛び込みか?
多方面に大迷惑だ、止めてくれ。
おじぃの睡眠薬をがぶ飲みした方が大分確実だ。
辛い、苦しい、死を覚悟するほど息子が酷いと
訴えたかっただけだ。
死ぬつもりはさらさらない。
自殺を考えてた人間の目ではなかったし
まず、ワイドショーでゲラゲラ笑えない。
鬱状態でも躁鬱でもなかった。
まぁそんな事を言っても、老人たちは
理解しないだろうし、私は言わない。
進んでヒトデナシになるつもりもない。
おばぁの前回の発言については親戚にも
咎められなかったというか誰も触れなかったし
謝らなかった。悪いとも思っていない。
モーさんの心にはグッサリと刺さったままだ。
これからも刺さり続けるだろう。
私は血を拭うことしか出来ない。
家出騒動は、親戚の男性陣が黙りこむことで
収まったようにみえた。
めでたく私は、取扱厳重注意の特大シールが
貼られたようだ。きっとおでこ。
おばぁは本家に一晩泊めさせてもらって
おじぃだけ連れ帰ることにした。
蒼白で立ちが上がれもしないおじいを支えて
モーさんとチーコロと帰ってもらう。
自宅に着いて好き勝手喋ってごめんと謝ったら
すっきりしたよ、ありがとうと笑われた。
座っているだけで疲れ果てていたおじぃに
もう休む?と聞いたら、麻雀を始めた。
本当にどうしようもねぇ。多分現実逃避。
23時過ぎていた。
どっっっぷりと疲れたが、明日は新婚旅行。
当然チーコロも一緒にネズミの国へと行った。
とても楽しくて、嬉しくて、思い出に残る
よい気分転換であった。
天国と地獄。
地獄と天国。
地獄から来ると、天国の素晴しさが身に凍みる。
夢の国から帰ると、おばぁはやはり通常運行。
騒動を謝りもしないのは想定内、全く変らず。
モーさんへの態度が軟化する?の希望も潰えた。
土日も仕事のモーさんに、寺の掃除と剪定やら
に行けとプリントをばたばたさせて喚く。
その日は仕事だから無理だというモーさんに
お父さんが動けないのが分からないのか、
家族を持ったなら、お前が行くのが当然だ。
近所から何て言われるか!
見兼ねて、私が行こうかと提案したら
「男衆の仕事や!高枝なんかも切るんや!」
ひー!
すごい剣幕。
昨今、土日出勤のお父さん達は結構いるし
日曜は休みで当たり前の意識がイカれてる。
寺の仕事をして一人前みたいな事を言われて
頭を捻る。ただただ、疑問。
地方色もあるだろうけど、私の出身地では
寺の仕事=年寄りのつとめ、楽しみ、だった。
60過ぎの新入りの母は、娘と呼ばれていて
月に一度程度のお茶会などもあっていた。
節目には掃除、終わったら弁当の食事がでるが
持ち寄った手作りの料理も振る舞いあう。
そういうものが寺だと思っていたので
家族持ったら参加しろ!には驚いた。
地方色よりも宗派なのかな。
どちらにしろ、田舎の行事である。
そして私は、またしても怒ることになる。
次回!
要介護認定は悲惨!の巻
あれ?
登録したジャンル、年の差かっぷるダヨネ……