空前の映画記録を打ち出した映画『鬼滅の刃』。
後半の鬼殺隊、柱、煉獄杏寿郎と上弦の鬼、猗窩座との闘い。
これ程涙を誘うアニメを鑑賞しながら、私が遠い昔、映画館で観た『さらばヤマト』のラストシーンを思い出した。
主人公の古代進は敗戦濃厚な激戦の中、救いを求めるべき初代艦長沖田十三から命を賭して敵に立ち向かう術を授かる。
劇中後半でヤマトに乗り、恋人の森雪の亡き骸に想いを語るシーンは当時、日本中のヤマトファンが泣き、命の尊さと儚さを感じた。
時は流れ、鬼殺隊、煉獄杏寿郎が決死の闘い後、竈門炭治郎へ最後の言葉を語るシーン。
共通して感じるのは、ヤマトの古代進、鬼滅の煉獄杏寿郎の二者が正義と平和を託す想いを一方は自分自身。
そしてもう一方は、恐らく将来を担う若者への熱いメッセージに込めらていると言う点である。
多くの人々が、この煉獄杏寿郎の最後に涙し、ある時は煉獄杏寿郎自身、そしてまたある時は竈門炭治郎自身に投影した想いが心に染み込み深い愛を感じる見えない旋律に響いて来る。
そんな感じと思う。
大義を担う若者と言う点が感動と涙を誘う。
アニメと音楽、台詞がまさに圧巻であった。
そして私自身が共にエンターテイメント業界を二人三脚で歩んだ、赤影/坂口祐三郎。
煉獄杏寿郎が自身の死を気にするなと言う台詞である。
彼が少なくとも私を含め同世代に与えた影響が大きい赤影。
そしてその赤影を見事に演じた彼の生き様が私には昨日の様に思えてならない。
彼が私に赤影は私自身。
その顔と目と声と姿。
どんなに時が過ぎても変わらない。
私との会話で、男は…強くならなくてはならない。
優しくならなくてはならない。
そして許さなければならない。
その言葉こそ、冒頭の煉獄杏寿郎。
さらばヤマトの古代進。
そして赤影の坂口祐三郎に共通している由縁である。
⭐煉獄さんの激闘を何度観たか?
古代進のさらばヤマトを何度観たか?
坂口祐三郎の赤影に至っては考えられない程観てきた。
作品の凄さに敬意を込めた上で、自分の心を静める為にも柱達の強豪チームが時空を越えて、猗窩座に苦戦する煉獄さんを救い出し生き残らせて欲しいと願う。
それ程迄に魂を揺さぶる作品である。
❏また何より原作本を完結迄、読んだ個人的意見として一見、炭治郎が主人公で描かれているものの実際の主人公は、煉獄杏寿郎と言っても決して過言では無い。
なぜなら無限列車編でも、乗客全員の命と後輩を助け自らの命を賭す活躍。
彼の一挙手一投足、それこそが鬼殺隊のポリシーと思うからである。
❏猗窩座について❏
アニメのみの観賞の方も居るので猗窩座の事は、ザックリ触れて見ようと思う。
ネタバレにはならないので安心下さい。
今も猗窩座の過去の原作を読むと涙が止まらなくなる。
ここはデリケートなまとめ方になるものの、本当に感動する原作である。
人は誰の為に生きるのか?
その1点に絞った内容で言えば、猗窩座外伝が必要とだけ言っておきたい。
原作本、17〜18巻掲載ではあるが、お時間取って見る価値のあるエピソードである。
■最期の言葉■