3ヶ月ほど経った頃
不意に『良く見るけど、
あなたはお見舞いに来てるの?』
とおばあちゃんに声をかけられた。
わたしの声じゃ聞き取りにくいらしく、
…ほ?…は?って聞き返される。
ちがうよ、入院してるんだよ
脳の病気で
わたしがコミュニケーションを
なかなか取れなかった理由の一つに
言っても伝わらない
と言うのがあった。
声量もなければイントネーションもなくて、
会話をしようと向き合ってくれる人がいて
頑張って聞き取ってくれて
やっと成り立つ感じだった。
不意に誰かを呼び止めるとか、
自分でできないことを人にお願いするとか、
普通にできることがわたしにはできない。
日常生活の中で、
まだまだ我慢することが多かったし、
病室から出てくることなんてなかった。
おばあちゃんはわたしの事情をなんとか聞き取った後、
わたしねえー、と自分のことを話し始めた。
うんうん、と聞くけど
会話のスピードについていけない。
回復期病棟の患者の人たちは悪い人ではないんだけど、
私を珍しそうに見る人がほとんどで
(年齢だね、若いから)
その目にさらされるのが嫌だった私は
ほとんど誰とも話さず1人で過ごした。
久々に家族や看護師さんたち以外と
話した。