見送ってから、部屋に戻る

も「あ、おかえり」

お「大丈夫?」

ゆ「え、うん?」

お「心配って顔に書いてある」

も「限界そうだったから誘ってみたんだけどな、
  ふたりとも」

ゆ「ええ、わたしは平気だよ、別に」

も「そうは見えなかったけどー」

お「まぁまぁ、とりあえず食べに行こう」


ふたりにはバレバレだったみたい

そう、わたしもとっくに限界だった

一緒にいることが当たり前でここまで会わないのは

久しぶりだった


も「かんぱーい」

お「飲みすぎないでよー」

ゆ「ふたりともありがと」

も「なんのなんの」

お「最近は会えてたの?」

ゆ「ううん、久しぶりに顔みたかな」

も「それであの感じで来られたら
  さすがに心配になるわな」



興味ないようで優しいもぎと

見守ってくれるおんちゃん、ほんとに2人が

いてくれてよかった


ゆ「あとで様子見にいってみる」

も「ほんとは行きたくてたまんないんでしょー」

お「もう!もぎさん」

も「わっちは心配なんだよふたりとも」

お「まぁ、わたしもそこは同意見」

ゆ「ん。ありがとね」


慰められてるのか、いじられてるのか

とにかくふたりには感謝しかないな

ほろ酔いのもぎともぎを支えるおんちゃんと別れ

あなたの家に向かう。

持ってる合鍵で中に入ると散乱した服に

キッチンには食器がたくさん

あぁ、いっぱいいっぱいだったのがみてとれる

帰ってくる前に部屋を片付けお風呂の準備

ゆっくりしたいし、先にお風呂に入っておこう



ガチャ、、、


ドアの開く音がして玄関に向かうと

鼻先を赤くして寒そうにしているなぁちゃんがいて

たまらず抱きしめた


な「わぁ、」

ゆ「おかえり、、、」

な「ただいま、、、」

ゆ「、、、」

な「ゆうちゃん?」

ゆ「ん。」

な「きてくれてありがと」

ゆ「ううん、お仕事おつかれさま」

な「へへありがと」


離れられないでいると、湯冷めしちゃう!と

手をひかれリビングへ


な「あちゃ~
  お片付けしてくれたの?」

ゆ「うん、荒れてたから」

な「うぅ、、、ありがと
  疲れてるのにごめんね」

ゆ「ううん、ねぇちゃんと休めてる?」

な「ちょっといっぱいいっぱいだったかな」

ゆ「心配した、、、」

な「ごめん。」


シュンとしているあなたの手を引き

ソファーに座らせる

その前にしゃがんで手を握る


ゆ「お話聞いてくれる?」

な「うん、どうしました?」

ゆ「最近、忙しいよね。」

な「ありがたいことに、、」


ちゃんとご飯食べてる?

寝れてるの?

お酒ばっかり飲んでない?

ワンちゃんもいるのに時間あるの?

聞きたいこと言いたいことが止まらない


ゆ「ふぅ、、、あとふたりで会えてない、、、」

な「っ、ごめん。」

ゆ「ぜんぜん時間なかった!」

な「ごめんね」


違う、謝ってほしいわけじゃない、

ちゃんと伝えなきゃ、



ゆ「だからさ、ここに帰ってきてもいいかな?」

な「へっ」

ゆ「一緒にいてもいいかな?」

な「ゆうちゃん、、、」

ゆ「近くにいたいです、、、」


言い終わるころにはソファーの上のあなたに

抱きしめられていてふわっと

あなたの香りが鼻をかすめる


心配かけてごめんなさい

わたしも会いたかった、さみしかった、

いっぱいいっぱいだった、


首に巻きついてわんわん泣いている愛おしい人

ほら、わんこも見に来てる。



な「これからここに帰ってきてくれる?」

ゆ「いいの?」


実はねと、体を起こし寝室へ行くあなた

後ろをトコトコついていくもふもふがかわいい

戻ってきたと思えば、

位置を変えてソファーにわたし、その前になぁ


な「お話聞いてくれる?」

ゆ「うん、なぁに?」


ほんとはね、もっと強くなって、

もっと自信がついて

もっとお仕事頑張って、もっともっと、、、

幸せにできる、守っていけるとおもったら、、、


な「そしたら、お願いしようと思ってました。」

ゆ「っ、うん、、」

な「でも、ぜんぜん自信なくて、
  迷惑ばっかりかけて、」

ゆ「そんなこと、!」

な「ううん、だから諦めようと思ってました」






な「でも、ダメでした。」

ゆ「うん、、」

な「なんの証明にもなんないけど、
  受けとってくれますか?」

ゆ「はい、、、」



指輪をはめられると同時にたまらず抱きついた

へへっと体を揺らしてたのしそうな人

さっきまで泣いてなかった?まあいいか


ゆ「起きて待ってるからお風呂入っておいで?」

な「んーいっしょ、、、」

ゆ「ふふ、また今度」

な「えーだめ?」


そんな顔してもだめです。

拗ねてるわんこをお風呂に押し込んで

寝室へ


ベットに横になるとすぐに駆け寄ってくるもこもこ

ゆ「かわいいねぇー」

 「あうあう」

ゆ「ふふ、いっしょに待ってようね」


膝の上にのぼってきたもこもこをぎゅっとして

左手にひかるそれをみてひとり微笑む


な「でたよー!あっ、もうわたしの場所」

ゆ「おかえり、いいじゃん」

な「いいけど、よくない」

ゆ「なにそれどっちよ、ふふ」

な「つぎはなぁのばん!」


ひょいともこもこをどかして

抱き着いてきたおおきなわんこ

前より伸びた髪を撫でる。

どっちが犬かわかんないな


な「ふふここはわたしの場所だからね」

ゆ「いじわるだね?」

な「なに言われてもそれだけは譲れない」

ゆ「そんなにー?」

な「やっと手に入ったんだから。」

ゆ「うん」


諦めないでくれてありがとう、同じ気持ちだよ、

伝わるようにぎゅっと閉じ込める


な「ふふ、いいにおい、ふかふか、はぁ、」

ゆ「そろそろ寝る?」

な「もう眠たい?」

ゆ「ちょっとだけね、」

な「もうちょっとだけ我慢して?」


そっと頬を撫でられてそのまま唇へ

ひさしぶりの感覚にびくっとしてしまう

それから、おでこ、まゆ、ほほ、鼻先、

しっかり目をみてから、また、くちびるへ

私のものと言われてるようなキス


な「いい?」

ゆ「いいよ、」


なんどもなんども愛おしいが伝わるように


な「すき、だいすき、、」

ゆ「ゆうも、すき、、だよ」


end??