1962年、黒澤明監督作品です。


黒澤作品はなかなかテレビ放送されないことで知られていましたが、子どもの頃にお茶の間で観た記憶があります。

子どもだったので「生きる」よりも「椿三十郎」がお気に入りでした。



「用心棒」では桑畑三十郎だった主人公、同じ人物かはわかりませんけど、続編とも言える「椿三十郎」では名を訊かれ名乗るときのシチュエーションは同じです。「俺の名は…」と言って辺りを見回し目に入った椿の花から「椿三十郎だ。もうすぐ四十郎だ」と「用心棒」の時と同じようなセリフでした。

「用心棒」では桑畑が目に入り桑畑三十郎と名乗りました。

「椿三十郎」では「七十郎になっちまう」って言うセリフもありました。

よほどウケたのでしょうか。


私は黒澤作品といえばと挙げられるとまぁ、そんなには上の方に名前が上がらない「椿三十郎」が一番好きなんですよね。多分娯楽性がより高いからでしょうか。



「天国と地獄」も好きです。主人公はこれもまた三船敏郎ですが、仕事第一の叩き上げの人が、結局は使用人である運転手とその子どもに情をかけ自分の出世を諦める姿が何とも暖かい気持ちにさせてくれます。


ご存知でしょうけど、この時期の黒澤作品、メンツがいつも一緒です。この3作品だけでも主要人物は三船敏郎、仲代達也とまるで山口百恵と三浦友和(例えが古い)のようです。


他にも志村喬、藤原鎌足、土屋嘉男、佐田豊、清水元(アトムの清水マリのお父さん)と3作品全部に出てる人はこれくらいですが、他の黒澤作品に出ていたり、3作品中、1作か2作に出ていたり、黒澤作品の俳優陣は常連さんで占められています。



「椿三十郎」のおおまかなあらすじです。


森の中の社殿で年若い侍達(加山雄三、田中邦衛、平田昭彦、他)が密談をしています。お偉いさん達の不正を暴こうと正義感に満ちて集まった若侍のグループですが、リーダー格の井坂(加山雄三)が叔父でもある城代家老の睦田(伊藤雄之助)に意見書を渡したものの相手にされなかったと報告します。その代わり大目付の菊井(清水将夫)は話に耳を傾けてくれて、グループみんなと会いたがっていると明るく話します。

希望に湧いて、立ち上がる若侍達ですが、社殿の奥からそれを止める浪人が現れました。そうです。三船敏郎の登場。かっこいいです。ちょっと話を聞いただけで話の全貌を理解して、お前ら罠に嵌められてるよとばかりに若侍達を止めてくれたのです。


風貌から浪人の話を信じられないと半信半疑の若者達でしたが、三十郎の予想通りに大目付菊井の差し向けた室戸半兵衛(仲代達也)達に捕り抑えられそうになるのです。ここは三十郎に助けられて逃げおおせます。


これもまた三十郎の予想通りに、城代家老睦田は菊井の手に落ち、拉致されてしまっています。若侍一行は三十郎の策により睦田の奥方(入江たか子)と娘(団令子)を奪還し、見張り(小林桂樹)も一人捕まえて、若侍の一人、寺田(平田昭彦)の屋敷に身を隠します。この見張りの小林桂樹が面白い人です。押し入れに閉じ込められるのですが、浅薄な若者達を嗜めに出て来てまた自ら押し入れに戻ったりするんです。


皆が潜伏していた寺田の家の隣は汚職を働く一味の一人、黒田(志村喬)の通称椿屋敷でした。


椿三十郎がドジばかりの若侍達と共に睦田を助けて悪者達をやっつける痛快時代劇となっております。


雑なあらすじですみません。何回観ても面白いので、未だ観ていない方は是非ご覧くださいね。織田裕二主演のリメイク版もありますが、私としては三船版推しです。


久しぶりに鑑賞しましたが、今回は去年の暮れに観たんです。

それでもう、1月も終わりに近づいています。あけましておめでとうございますという冒頭挨拶消しましたからね。


実は夫が9日ほどですが入院していました。疲れました。1日15分の面会とはいえ、毎日行きましたから。というのも、入院時に夫が何日入院するかわからないからってパジャマの貸し出しを断ったんですよね。すぐ退院するつもりだったらしくて、家も近いし、届けて貰えばいいからって。それはいいんですけど、電話もメールもくれずに、面会に行くと、あれが足りない、持って来てくれっていう始末でして、毎日何かを届けると、またリクエストがあるので、日参する羽目になりました。


実家の介護通いもあるわけですし。私、暇ではないんですよね。


おかげさまで昨日退院したんですが、食事の注文が多くて、早くも音を上げています。


昨日、退院の際に栄養指導があって、早くから病院に向かいました。少なくとも15分前には来いと夫に言われたので病院まで小走りです。これがいけなかったのか、帰った頃には頭が痛くて、眠くて眠くてたまりません。ふと花粉症の薬を見ると、一つ足りないんですよね。飲み忘れないように薬のシートに日付を書いてるんですが、明日の日付の分がなくなってる。間違えて2度飲んじゃったみたい。これのせいかな。すごく眠い…。夕方には体も冷えて、動けなくなりました。少し眠って、起きたらもう夕方どころか夜。慌てて息子の夕食と夫の離乳食みたいな刻み食を作りました。


買い物にも行けなかったし、家に準備もなかったので、具沢山のお味噌汁とお粥に梅干しになっちゃったんですけど、夫は大ブーイングでした。「病院食よりひどいよ、これ」って言われました。

それで、夜も更けてからセブンイレブンに行ってやき魚を買って来ました。ご飯は済んだけど、夫はおかずだけ食べていました。


脂っこいもの、繊維質のもの、刺激物、これらを避けるとなかなかおかずが作れません。当日の朝に聞いて、準備する時間もなかったし。言い訳ですけどね。


留守中、夫の買い物の宅配便を10件以上受け取りました。なぜか木製のシューキーパーが3つも来ました。足って2本しかないからさ。そんなに女優のように靴買わなくても良くない? 


他には食器、Tシャツ、革ジャン、レインコート、ピンバッジにフード付きのタオル、ポーチなどがありました。定価で購入したもの、セールで購入したもの、メルカリで購入したものの3種類です。イギリスで知人から買ってもらったものは関税もかかりました。


夫は買い物依存症です。老人の認知症も本人は認めたがらず、なかなか医者に行かないそうですけど、うちの夫も自分が買い物依存症と自覚できないみたいです。自覚したところで何も変わらないとは思うのですけども。こういう人は家族は持たない方がいいですね。


今回の入院に際してはとても心配でした。命にも関わるかもしれなくて不安でしたし、眠れない日々でした。だけど、こうして元気で帰ってくると、生きていてくれれば私の隣にいてくれなくてもいいやって思っちゃいます。


でも、こんな人は誰も面倒見られませんね。三船敏郎氏も愛人には老後(病後)の面倒を見てもらえなかったらしいです。本妻さんのところに戻って余生を送られたんですね。


世のご主人様方、老後の面倒見てもらうおつもりでしたら、奥様は大事にしてあげてくださいね。ふと気がついたら隣にはいないかもしれませんよ。


そんな感じで今年もよろしくお願いします。