原題はポスターにもあるように「LOVE SARAH」です。ベーカリーの店名なんです。

舞台はロンドン、ノッティングヒルです。「ノッティングヒルの恋人」は1999年の映画ですが、まだノッティングヒルと聞くと思い出されますね。「ノッティングヒルの恋人」はラブコメのジャンル、こちらはコメディ色はないです。

物語はサラが自転車で猛ダッシュしているところから始まります。揺れてすごい回転を見せる車輪。サラの携帯に友達のイザベラから何度も電話が入ります。留守番電話に到着を催促するイザベラの声が残ります。オープン予定の店舗物件前で待ち合わせなのです。

ですが、サラが着くことはなかったのです。

サラが亡くなり、ベーカリー開店は立ち消えになります。
サラの母のミミは長い間、娘と音信不通でした。サラに宛てた手紙を書くも手紙は出されることはありませんでした。
サラの娘、ラリー(クラリッサ)はダンサーなのですが、母を亡くした失意の中、同棲中の恋人には別れを告げられ追い出されてしまいます。(ちょっとひどくない?)
イザベラはシェフのサラがいなくては資金繰りもできず、元の職場に戻ります。

ラリーはミミのところに転がり込み、イザベラを説得してベーカリーを開店させようと言い出します。

サラの代わりのシェフとして現れたのはサラとイザベラの旧友マシューでした。どっちかの元カレなのかな?両方の元カレかも?

さて、4人はベーカリーを軌道に乗せることができるのか。マシューが現れた理由は?



ミミ役はセリア・イムリー。ベテランなので映画もテレビもたくさん出演されています。「スター・ウォーズ:エピソード1/ファントムメナス」「ブリジット・ジョーンズの日記」シリーズ。テレビはポワロの「満潮に乗って」マープルの「パディントン発4時50分」「バーナビー警部」「ドクター・フー」よくみる顔なわけですね。


イザベラ役シェリー・コン。
つい最近見た顔。そうでした。「ミステリーinパラダイス」に出てました。
「チャーリーとチョコレート工場」ではチョコレートでできたインドの宮殿のお姫様ですね。

チョコレートの宮殿は溶けて王子と逃げ出します。お菓子に縁がありますね。


ラリー役はシャノン・ターベットです。お気に入りのドラマ「River」に出ていたんですが思い出せません。「孤高の警部 ジョージ・ジェントリー」にもゲストで出ています。
ダンサー役でダンスシーンも素敵でした。ズカズカとした感じもかわいくて好き。


マシュー役ルパート・ペンリー=ジョーンズです。
「MI-5 英国機密諜報部」アダム役が有名ですね。ポワロの「杉の柩」にも出てます。
「ホワイト・チャペル」では潔癖症の警部でした。大きな身体にかわいい顔がミスマッチ。どうしても優しそうに見えます。


ベーカリーと言うとパン屋さんをイメージしてしまいますが、穀物焼けばベーカリーと呼ぶようで、ケーキ屋さんもベーカリーです。劇中ではケーキがたくさん飾られています。日本と違って冷蔵ショーケースじゃないんですよね。↑ケーキスタンドプレートに直に並べられて、お店にそのまま置かれます。カバーも何もない。コロナ禍で余計気になる。焼き菓子とはいえ生クリームとか使うよね?ほこりは?ケーキの上で会話したら汚くない?
でも、この映画を見て初めて自分がおかしいのかもって思いました。

映画ではフランス人はフランスパン、袋にも入れず手に持ったりしてへっちゃらですよね。平気でその辺に置いちゃうし。
もしかして、私、きれい好きでもないくせに潔癖なの?
気にしすぎてたのかな。
コロナ禍となった今ではこれで良かったのかもしれないけど。

ネタバレですが、閑古鳥が鳴くベーカリー、客寄せの打開策に、多人種が住むロンドンで故郷のお菓子を作る作戦をミミが思いつきます。
日本人の女の子も現れるのですが‥

日本の代表ケーキが抹茶ミルクレープって。
多分日本で好きなケーキランキングの上位には入らない気がする。ただのミルクレープならまだしも。抹茶は案外好き嫌いありそうだよ?まぁ、かと言って他のケーキ持ってこられても日本らしさがなくて台無しだけどね。(つまりは抹茶ミルクレープでオッケー)
シェフ達はこの食べたことがないだろう日本のケーキを作るのに大苦戦。ミルクレープって作るのそんなに大変なのかしら。失敗作はクレープがうまく焼けてないだけな気もしたけど。

物語に関係のないところでツッコミ入れていましたが、ストーリーは良かったです。いい話でした。映像も楽しめたし。
ノッティングヒルに行ってみたいって思いました。

オットレンギというロンドンでも有名なデリの協力をいただいたそうです。
サラはオットレンギの弟子らしいです。
オットレンギのお店もすごく素敵ですが、「LOVE SARAH」の店構えもかわいいです。


本当にノッティングヒル、憧れの地となりました。ケーキが冷蔵ショーケースに入ってなくてもいいです!

若い時のヒュー・グラントは本当にイケてるメンです。
リス・エヴァンス、ノッティングヒルの恋人ではスパイク役です

そして「ノッティングヒルの恋人」もまた観たくなりました。リス・エヴァンスが大好きって、これも何度も書いてますけどね。

セリア・イムリーも出演している「ブリジット・ジョーンズの日記」も大好きです。

両作ともリチャード・カーティス脚本ですね。

エリザ・シュローダー監督の次回作にも期待してます。絵がきれいでかわいくて、じんわりとくるいい話、待ってます。