ミス・マープルのシリーズを読んだのは高校生とかその辺りだと思いますが、文庫は随分前に処分してしまいました。
ポアロのシリーズも全部処分してしまって、数十年を経て書い直しました。

ミス・マープルのシリーズはポアロに比べたら少ないので、そのうちでいいやーと思ってまだ手付かず。長編12作も読み直していないので、近いうちに読みたいと思っています。

短編の方は全然読んでいなかったので、こちらから読んでみようと思いました。

そこで読んだのが「火曜クラブ」
ミス・マープル初登場のお話です。
全作マープルが関わります。
事件そのものには登場しないものもあるのですが、事件の経過を聞き、解決するのはマープルです。長編ものよりも安楽椅子探偵という言葉がぴったりに感じます。

火曜クラブでは前半6話にはマープルのTVシリーズでもお馴染みのサー・ヘンリーや甥のレイモンドを含めた6人が集まり、次々と迷宮入りの事件を取り上げて、犯人や犯行動機、犯行トリックをマープルが解き明かします。
後半6話もまた別の集まりで、こちらには「書斎の死体」「鏡は横にひび割れて」でお馴染みバントリー夫妻が登場。サー・ヘンリーも含めて6名が経験した難事件、未解決事件を取り上げます。 これもまたマープルだけが解明に導くのです。
ラスト1話は進行形の事件。自身の力では解決できないとミス・マープルはバントリー邸に滞在中のサー・ヘンリーを訪ねます。

短編ながらもすごく面白い。
長編と違ってすぐに解決してくれるのもいいです。

元々はITV制作アガサ・クリスティーミス・マープルシーズン5の3話「青いゼラニウム」のテレビ放送を久しぶりに観まして、原作も読もうと収録されている「火曜クラブ」を手に取りました。

「青いゼラニウム」テレビ版はほぼ、原作通りです。本来はマープルは事件の中には登場しないのですが。
このテレビ版で被害者の夫ジョージ・プリチャードを演じたのはトビー・スティーブンスです。マギー・スミスの息子です。クリスティものでは「そして誰もいなくなった」(2015年BBC )にも出ています。
お母さんのいいとこどりなトビー。お父さん(ロバート・スティーブンス)も俳優ですが、父よりハンサムです。

BBC制作のミス・マープルはジョーン・ヒクソンが演じました。私はこちらがマープルものでは一番好きです。
そして、このシリーズでは長編12作を順番はバラバラですけど、全作映像化しました。
残念なのは「カリブ海の秘密」と「復讐の女神」は繋がっているのだけど、演じた俳優も違えば、制作された順番も違ったり。

左 ジョーン・ヒクソン 右上ジェラルディン・マクイーワン下ジュリア・マッケンジー


短編を映像化したのはITV制作のシリーズです。ジェラルディン・マクイーワンとジュリア・マッケンジーがミス・マープルを演じています。

「青いゼラニウム」の他に「グリーンショウ氏の阿房宮」も短編ですが、シーズン6の2話で映像化されています。

こっちの方も「カリブ海の秘密」「復讐の女神」の順番が違うんですね。 

ITVの方は本来はマープルが出ない作品にマープルを登場させる作品が多いです。以下作品。

「親指のうずき」(トミーとタペンス)「シタフォードの秘密」「無実はさいなむ」「ゼロ時間へ」「殺人は容易だ」「なぜ、エヴァンスに頼まなかったのか?」「蒼ざめた馬」「チムニーズ館の秘密」「終わりなき夜に生れつく」

「チムニーズ館の秘密」「殺人は容易だ」「ゼロ時間へ」にはバトル警視が登場します。
「蒼ざめた馬」にはポアロシリーズのアリアドニ・オリヴァ女史が登場します。
トミーとタペンスはシリーズですが、それ以外はノン・シリーズとなります。

推理小説は読んで終わりとお思いかもしれませんが、(そう思って一回は処分したんだけどねー)
存外、繰り返し読んでも楽しめます。


「火曜クラブ」「アスタルテの祠」「金塊事件」「舗道の血痕」「動機対機会」「聖ペテロの指のあと」「青いゼラニウム」「二人の老嬢」「四人の容疑者」「クリスマスの悲劇」「毒草」「バンガロー事件」「溺死」収録


「グリーンショウ氏の阿房宮」収録