マンションの管理組合Aは、敷地に集会棟を新築する工事を行うため、建設会社Bとの間で請負契約を締結した。この場合に関する次の記述のうち、民法及び区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。
❶Bが本件工事を完成できない場合に、それが当事者双方の責めに帰することができない事由によるものであったときは、AはBに対して報酬の支払いを拒むことができない。
❷Bが本件工事を完成したが、引き渡された集会棟に品質に関する契約不適合があり、そのためにAが不適合を知った時から1年以内にその旨をBに通知したときは、Aは契約を解除することはできないが、Bに対し損害賠償を請求することができる。
❸本件工事に伴い、既存の共用部分に生じた損害について、区分所有者全員のためにAの管理者が原告となってBに訴訟を提起するには、その旨の契約の定めによるのではなく、集会の決議が必要である。
❹Bが本件工事を完成しない間は、Aは、いつでも損害を賠償して契約を解除することができる。
正解は❹ 請負人が仕事を完成しない間は、注文者は、いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができる。
❶請負契約において、当事者双方の責めに帰すことができない事由で債務を履行できなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができる。したがって、管理組合Aは、建設会社Bに対して報酬の支払いを拒むことができる。
❷本肢の通知をしたときは、Aは損害賠償請求だけでなく、契約解除もできる。
❸管理者は、規約または集会の決議により、その職務に関し、区分所有者のために原告または被告となることができる。