Aが所有するマンションの一住戸甲の売却に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

 

 

❶成年被後見人であるAが、甲を第三者に売却した場合に、Aが成年後見人Bの事前の同意を得ていたときは、Aは、甲の売買を取り消すことができない。

 

❷行為能力者であるAが、Cを代理人として甲を第三者に売却した場合に、代理行為の時にCが被保佐人であったときは、Aは、Cの制限行為能力を理由に、甲の売買を取り消すことができる。

 

❸被保佐人であるAが、保佐人Dの同意を得ることなく甲を売却した後に、相手方がAに対し、1箇月以上の期間を定めて、Dの追認を得るべき旨の催告をした場合において、Aがその期間内にその追認を得た旨の通知を発しないときは、Dがその行為を追認したものとみなされる。

 

❹被保佐人であるAが甲を売却しようとした場合に、保佐人であるEが、Aの利益を害するおそれがないにもかかわらずこれに同意しないときは、家庭裁判所は、Aの請求により、Eの同意に代わる許可を与えることができる。

 

 

 

宝石ブルー

 

 

 

宝石緑

 

 

 

宝石白

 

 

 

宝石紫

 

 

 

宝石赤

 

 

 

正解は❹(13条3項)

 

❶成年後見人には同意権がないため、成年被後見人Aは成年後見人Bの事前の同意を得ていた場合でも、甲の売買を取り消すことができる。

 

❷制限行為能力者が代理人としてした行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができない。したがって、AはCの制限行為能力を理由に、甲の売買を取り消すことができない。(尚、制限行為能力者が他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為については、取り消すことができる。)

 

❸この場合、被保佐人がその期間内にその追認を得た旨の通知を発しないときは、その行為を取り消したものとみなされる。したがって、Aが追認を得た旨の通知を発しないときは、DはAの行為を取り消したものとみなされる。