空から落ちてきた桜のかけらが
僕の心を冷たく突き刺す
これは罰なのだろうか
10年前のあの罪の
周りの人がそうだったならば
未来もまたそうだったのだろう
未来が暮らすこの町では
違うものは消えるべき存在だった
未来は小学4年生
この町ではたった一人の子供だった
ある日未来の父さんがこういった
「俺はもう耐えられない。もう一緒に消えようか」
そして未来の中から‘それ‘以外が消えていった
僕が目を開けると、めがねをかけたへんなおじさんが
僕を見下ろしていた。
50代だろうか、レンズの中のその瞳は大きく見開かれている
(いったい何なんだ)
尋ねようと口を動かそうとして気づいた。
僕の口の中には大切なものが無い。
その様子を見ていたおじさんは、僕が口を動かそうとしていることで気づいたのか
僕が悟る前に口を開いた
「未来君・・・だね?君はあの事故の後遺症で、舌が3分の2亡くなってしまったんだ。」
今度は僕が目を見開いた。
「ものを食べることはできるが・・・。しゃべることはもう不可能なんだ。」
続く


















