野田佳彦首相は11日の衆院社会保障・税一体改革特別委員会で、消費税増税を含む一体改革関連法案が今国会で成立しない場合、衆院解散に踏み切る可能性を示唆した。早期の解散・総選挙を警戒する民主党内の小沢一郎元代表ら増税反対派を牽制(けんせい)し、関連法案成立に向けた自民、公明両党との修正協議を加速させる狙いがあるとみられる。
【図で見る】社会保障・税一体改革関連法案の修正協議をめぐる相関図
首相は「決断しなければいけない時期は迫っている。政治生命を懸けている。それ以上言わなくても十分分かってもらえると思う」と述べた。その後の政府・民主三役会議では、「15日をめどに(修正)協議が調うようお願いしたい」と重ねて指示した。
修正協議を進めるため、政府・民主党は同日、幼稚園と保育所を一体化した「総合こども園」創設を撤回する方針を固めた。公明党が現行の一体化施設「認定こども園」を拡充する修正案をまとめており、同案を採用する方向で調整を開始。自民党も基本的に受け入れる方向だ。
関係者によると、「総合こども園」を強硬に主張してきた小宮山洋子厚生労働相が「一歩前進できるなら現行の拡充でもやむを得ない」と方針転換した。
さらに、岡田克也副総理も特別委で、民主党がマニフェスト(政権公約)に掲げる新年金制度や後期高齢者医療制度廃止に関し「協議の結果がそれと異なるなら、協議の結果が優先される」と述べ、修正協議の結果次第で国会への法案提出を見送る考えを示した。首相も、「(岡田氏と)全く同じ考え方だ」と答弁した。
今国会での関連法案成立を優先させ、新年金制度などの撤回を求める自民、公明両党に譲歩した。岡田氏らの発言を受け、3党の実務者による同日の社会保障分野の協議でも、民主党は年金や高齢者医療の抜本改革議論を「社会保障制度改革国民会議」に委ねるとする自民党の対案を前向きに検討する方針を伝えた。
また、3党の実務者は同日、税制分野の修正協議も開始。自民党は消費税率を平成26年4月に8%、27年10月に10%へ2段階で引き上げる政府案に同意した