そこに立ち尽くすだけで陰影があるのは
きっと世界が輝いているから
愛とは何か
今更その問いに期待するより
雨粒は音を立てて
こんなにも肌に心地いい
感情そのものは言葉ではないけれど
言葉を選ぶということで
自分の手で壊してきたものを思い返している
夕暮れの帰宅電車の窓から
少しだけ時を止めようとする人々
そんなに世界が恋しいか
世界ならいくらでもそこにあるというのに
気付きもせず
気付かされもせず
沈む太陽は油絵に変わる
新しいものだけを受け止めて
心ないものに心を奪われて
欠如は日々その形に留まってはいない
せめて君の世界に映ってみたかった
たとえ傷付いたとしても
誰かを信じてみたかった
終わるはずのない悲しみを
僕はこの手で終わらせたくて
それでこの詩を書いている
悲しみも君の横顔も
すべてがいつか何もなかったかのように
すべてがいつか何もなかったかのように