ANN 5/21 vol.7 | キロクブログ

ANN 5/21 vol.7

愛のプロローグ

愛のプロローグ

僕は今年で26歳。

母校の中学に教師として赴任したのは、今から2年前の事。

子供たちの笑顔に囲まれた中での仕事は、「楽しい」のひと言だった。

そんな僕の元へ、彼女が突然尋ねてきたのは去年の暮れの事。


「ゆうくん、久しぶり」

帰宅しようと校門を出た僕は、突然名前を呼ばれた。

その声に振り返ると、そこにいたのは小さなバッグを抱えた美しい女性。

彼女は僕を見ながら微笑んでいた。


「あ、えっと・・・」

必死に記憶をたどってみたものの、僕は思い出せなかった。

そんな僕に、彼女は再び微笑を向け、

「ちょっと、同じクラスだったのに忘れたとか言わないでよ。私だよ。わかんない?」

同じクラス・・・つまりは同級生。

僕は再び、頭をフル回転させかつての同級生達の顔を思い浮かべた。

しかし、どんなに記憶をたどっても、こんな美人は同じクラスにいなかった。

だが、思い出せない僕のことは無視して、彼女は校舎を見上げる。


「なぁーんにも変わってないね。私がいた頃と何も。

あ、ゆうくん、覚えてる?変な先生にネチネチ言われて、泣いちゃった女の子いたじゃん。

その子の為にゆうくん、あの窓ガラス割っちゃって。

あの時は怖かったけど、みんなであの後、かっこよかったねって言ってたんだよ。」

彼女に嘘は無かった。

彼女が語っている記憶と、僕の中にある記憶は確かに一致していた。

しかし、彼女の当時の顔はおろか、名前さえ思い出すことが出来なかった。


その後も、中学時代の思い出を語り続ける彼女。

そのすべてが、確かに僕自身も経験した思い出だった。


「ねぇ、仕事終わったんでしょ?お茶しようよ。」

僕は彼女の名前をなんとか思い出すためにも、その言葉にうなずいた。


そして、名前も顔も思い出せないに、記憶だけは一致する彼女と、

あの頃の楽しい日々を振り返っていく。

運動会・学芸会・文化祭・・・、そして卒業式。

僕と彼女は確かに、今から11年前、同じ時間を共有していた。


しかし、ただ1つだけ共有していないものがあったと知ったのは、

その店に入ってから1時間が過ぎた時だった。


「私ね、ゆうくんの事ずぅっと好きだったんだよ」

彼女は恥ずかしそうな顔を浮かべて、唐突にそう言った。

僕は最初こそ戸惑ってしまったが、所詮は11年も前の話と自分を言い聞かせ、

笑ってそれを受け流した。

だが、彼女はそうしなかった。


「ううん。国語の先生に向かって、間違った言葉使っちゃダメだね。

過去形の好きだったじゃなくて、ing形。ゆうくんの事、今も好き。

うん。今もゆうくんの事、大好き」


時間が止まるとは、こうゆう事を言うのだとその瞬間知った。

周囲の音が一切聞こえなくなり、目の前にいる彼女の顔しか見えなくなった。

やがて、そんな彼女に吸い寄せられていき、気付けば僕は、彼女の手を握りしめていた。


「俺も、おまえの事、好きだ」

名前も当時の顔も思い出せない。だけど、僕の思いは止まらなかった。

彼女を愛するという気持ちは止まらなかった。

理由なんか無い。

僕はただ、彼女を愛していた。


その日以降、僕と彼女は毎日会っていた。

来る日も来る日も、彼女の手を握りしめ共に歩いた。

映画を観て涙し、遊園地で笑い、公園でケンカもした。

11年というブランクを経て、再び積み重なっていく僕と彼女の思い出。


彼女がこの街に戻って来たのは、都会の喧騒に疲れ果てただからと聞いた。

そして、都会で自分が汚れてしまい、僕にはそぐわないと思っていることも聞いた。

だが、僕はなにを言われても黙って彼女の手を握りしめていた。

彼女の手には、確かな温もりがあり、汚れてなどいない。

いや、例え汚れていたとしても、それを僕がきれいにしてみせる。

僕は君を、愛しているのだから。


そんな想いは日に日に強くなり、ある夜僕は彼女にこう告げた。

「なぁ、おまえがどんな女であろうと、俺はおまえといたい。

おまえがどんなに、俺と不釣合いだと思っていようが俺はおまえといたい。

おまえじゃなきゃ嫌なんだよ。俺、おまえと一緒になりたい。おまえと結婚したい。」

生まれて始めてのプロポーズだった。

かっこいいセリフや気のきいたセリフなんか、なにも思い浮かばなかった。

だけど、すべてが僕の今現在の素直な気持ちだった。


しかし、そんなプロポーズへの返事は彼女の涙だった。

「ダメだよ。ゆうくんの事、確かに好きだけど、結婚なんてそんなことできない。

私とゆうくんは、結婚できないの」


彼女はそう言うと、僕の前から走り去ってしまった。

自分は都会で汚れた、それがどんな事を意味しているのか彼女は決して口にしなかった。

だが、それを理由に彼女は僕との結婚を拒んだ。


その日以降、毎日僕は彼女に電話をかけた。

しかし、聞こえてくるのは留守番電話の応答メッセージばかり。

彼女の姿、そしてその声も僕ば失ってしまったのだ。


レコード6コブクロ 『ここにしか咲かない花』レコード6


あんなにも楽しかった日々。

それはすべてただの思い出になってしまった。

ing形から過去形へ、それがどんなに辛い物なのかを僕は思い知った。


そして、そんな僕は、彼女との思い出がたくさんつまった部屋を出ることにした。

学校があるからそう遠くへは行けない。

でも、この部屋にはいたくなかった。


彼女と連絡が取れなくなってから1ヵ月。僕は引越しを決意し、荷物を片付け始めた。

だが、そこにそいつは現れた。

押入れの1番奥にあった、中学校の卒業アルバムだ。

僕は片付けることを忘れて、そのアルバムを無我夢中でめくった。

どうして、今まで気付かなかったんだ・・・。

これを見れば、彼女の当時の顔もフルネームも載っていたのに。

僕は自分のクラスのページを開くと、女子生徒の写真を1つずつ確認し、

彼女の家に行った際、表札に書いてあった『内山』という文字を探した。


しかし、女子生徒に『内山』という苗字を持つ子はひとりもいなかった。

他のクラスの女子生徒も見てみたが、結果は同じだった。

僕は呆然としながら、彼女の言葉を思い出していた。

「同じクラスだったんだよ。あの頃は楽しかったね」

確かに、彼女が言っていた事はすべて僕の記憶と一致していた。

だが、その苗字の女子生徒は同じ学校に存在していない。


僕は、彼女がこの世のものではないと思い始めていた。

いや、もしそうであったとしても、それならそれで構わない。

「僕はただ、君を愛しているんだ。

だから、どんな形であっても君と一緒にいたい。」

心の中でそう叫び、彼女の微笑を思い出していた。

しかし、どんなに願っても、今僕の目の前にあるのは、誰もいない部屋。

彼女にはもう、会うことが出来ないのだ。


そんな事を考えていると、音も無く、僕の目からひとつの涙が落ちた。

その涙は、アルバムの上に小さな水たまりを作った。

「大切なアルバムがにじんでしまう。」

僕はその涙を手でふき取ろうと手を伸ばした。

だが、次の瞬間、僕の手の動きが止まった。

涙が落ちた場所、そこにあったのは、『内山』という苗字の男子生徒だった。


そりゃー結婚できねぇよ。内山、男じゃーん!


レコード6BOØWY 『季節が君だけを変える』レコード6


とゆうことで、今夜も『愛のプロローグ』お届けしましたがぁ、

もうのど渇きまくってんだけど、俺。

ちょっと、水飲んでいい?フフ(笑)

のど、カラッカラ。

4枚長い、まず。4枚。

内山、男やないかーい。フフフフフフ(笑)

さぁさぁ、そしてねぇ、先週小栗旬はお題を出したわけですけどもぉ、

感動して笑える話を書けと言ったんですがぁ、

それを書かなかったらね、作家の人事異動を発令すると言ったんですがぁ、

その末に出来上がってきたのが、先ほど僕が読んだ『愛のプロローグ』なんですけどぉ。

ま、ちなみにね、じゃぁ、今夜の元のメールをまず見てみましょうか。ね。はい。

山口県ラジオネーム・ユウカ。

はーと旬くん、こんばんは。

感動できて笑える話ってことでしたが、

今日は大泉さんも来るということで、それもふまえた話を聞きたいです。

なんか適当に作ってください。

・・・ん?ん?ん?ん?

あ、『母校の中学に教師』というのが、『アフタースクール』の設定で、

『アフタースクール』みたいな感じの話に、大泉さんも来るから、こう勝手に作ったんだ。三枝くんが。4枚も。ねぇ。

あのね、わかんねぇや。ぶっちゃけ。

今日の良かったかどうか、みなさんメールください。(三枝さん/笑)

あの(笑)、もうわっかんねっ。ハハ(笑)

俺、4枚読むので必死だったしぃ、もうのどカラッカラだしぃ(笑)

なんかもう、もう、もぉーーー・・・なんか・・・。

でも結構俺も頑張って劇的にしようと思ったよ、今日は。ね?途中から。いい話かもしれない。

でもさ、うーんそうかぁ。

もうこれはみんなからのメールをもらお。うん。

とゆうことでね、みなさん、あのー・・・ん?まず感想、今回の感想と、

あのー三枝くんをこの先も作家として存続させていいのかどうかってゆう事もふまえて、

えーメールアドレスはすべて小文字でoguri@allnightnippon.com

ハガキのあて先は〒100-8439 ニッポン放送 小栗旬のオールナイトニッポン 『三枝くんのやりたい放題』の係まで。

たくさんの愛プロ・・・愛プロじゃないや(笑)、たくさんの三枝くんへの今日の感想、そして今後の三枝くんについてのメールお待ちしていまーす。


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旬にいちゃん

(チンチン♪)

・・・んでーす。本日もねぇ、迷える子羊、本日もね、はいどうも旬にいちゃんでーす。

本日もね迷える子羊の、えぇメールに答えていきたいと思います!

本日のね迷える子羊ちゃんはね、福井県のラジオネーム・ケータロウ。

うんー

木彼女に「絶頂に達する時には、きちんと前もって言え」と言われました。

でも、なんて言っていいかわかりません。

そうゆう場合、なんて言うべきですか?

これねぇ、ほんとに言うセリフって、ある種ね、もうそれしかないんじゃないかと、みんな思いきや。

思いきやね、こうゆって言ってください。

「テッペンめざして、跳んでやるよ」


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