トイレの個室の便座に腰を掛けて手に持っているハンカチを見つめる男性。
「女性はこう言うハンカチがすきなのかな。」
薄いピンク色にレースに淵取りのあるハンカチ。
「見た目重視かな。」
かすかに香水の香りもする。
「汚いハンカチだ。自分を安売りしている。これで男の気を引くつもりか。」
表情が一変にてハンカチをドアに叩きつけた。
-バシッ、、、-
乾いた音を立てて床に落ちた。
ハンカチをゆっくりと拾いあげて靴を軽く拭いた。
無論。男性の靴は汚れてなどはいない。
ただ拭きたかっただけだった。
靴底まで綺麗に拭いた。
「用無しだね。」
口の端で小さい笑みを浮かべてトイレに流した。
「仕事に戻らないと大変だ。」
男性はちょっと急いでトイレを出た。
通路で先程の女性社員とすれ違った。
「先程は本当にごめんなさい。大丈夫ですか?」
心配そうな女性社員
「ありがとう。大丈夫だよ。ハンカチは買って返すから待っていてくれるかい?」
優しく微笑む男性。
「いえ、、、。そんな、、、。」
照れながらうつむく女性社員。
男性は再び微笑む。