会社の駐車場に車を停めて男性は歩いた。
「おはようございます。」
受付の女性が男性に挨拶をした。
「おはよう。」
いつもと同じ様に挨拶を返す男性。
男性の勤めている会社は巨大な企業でもなく本当にどこにでもある普通の会社だった。
自分のデスクの上の書類に目を通しす。
いつもと同じ作業の繰り返しだ。
「どうぞ。」
女性社員がコーヒーを持って来てくれた。
「ありがとう。頂きます。」
綺麗な笑顔でお礼を言う男性。
男性は女性社員に人気があった。
穏やかで落ち着いた雰囲気で優しい話し方。
スラリとした長身にミステリアスな瞳。
自然と女性社員の視線が男性に集まって行く。
「あつ、、、。」
コーヒーが熱くて男性は少しこぼしてしまった。
先程の女性社員が慌てて駆け寄って来た。
「ごめんなさい。大丈夫ですか?」
心配そうにコーヒーを拭く女性社員。
「ありがとう。僕の方こそごめんね。自分が猫舌なの忘れていたよ。」
照れながら微笑む男性。
「そうだったんですか。気が付かなくてごめんなさい。」
拭いてくれたハンカチごと女性社員の手を握る男性。
「もう自分で出来るからいいよ。ありがとう。」
一瞬動きが止まる女性社員。
「あ、、、。はい、、、。」
顔を少し赤らめながら立ち去る女性社員。
男性はハンカチを握りしめて席を立った。