写真はメカジキを甘辛で焼いたものに、ごま油、鶏がらスープの素で炒めたネギとバジルを乗せたもの(だったと思う…)。


家庭料理って、一言でいうなら「お金では買えない味」だと思う。


そこには、家族を思って作った愛があり、その人にしか作れない美味しさや食べる家族の安心感がある。


卵焼きはどこでも売っているし、お寿司屋さんでも食べることができます。


でも、母がお弁当に入れてくれていた、あの絶妙な甘さの卵焼きはどこにも売ってはいない。プロではない味。でも安心感のある、いつもの母の味。


私は青さと醤油を少し入れた甘くない卵焼きを作るのですが、子どもが大人になったときに、いわゆる「母の味」というものが食べたいと思ったり思い出したりする時がくると思っています。




大好きな土井善晴さんの『味つけはせんでええんです』(ミシマ社)の中に、こんな一文があります。



私たちは他者(家族)を思うから、料理するのです。料理は愛情。料理する、すでに愛しているのです。

『味つけはせんでええんです』(ミシマ社)より引用


料理はラブレター。

反抗期で口を聞いてくれない子どもに、毎日ごはんを作っては届けるラブレター。

言葉でもなく、口うるさくもなく、さり気なく「あなたを想っているよ」「愛しているよ」と伝える家庭料理。


そして、その養分が心と体に太い幹を作り、ちょっとやそっとじゃ倒れない強い人間を育むことに繋がっていくー。


今は、いつでもどこでも食べ物が買えるし、外食もできます。

女性は仕事して料理して育児して旦那の面倒も見て、親の介護をして更年期で体調崩して、、、と、とにかく忙しいうえに、次から次と波がやってくる。


でも、家庭料理は健康な心と体と愛を育む大切なやりがいのある作業として捉えたい。

お給料はないけれど、お金にはかえられないことを毎日やっているのです。

だから手離したくはない。


もちろん、今も夏休みで食事作りは大変です。

でも家庭料理の力を信じているから、私は今日もせっせとラブレターを作っては家族に渡します。

もちろん、自身にも…



それでは、また!



 


 

 


土井善晴さんの大好きな本。家庭料理の哲学書のような内容で、これを読むと「よし!作ろう」と思えます。