雪降る夜のバラード。11 | くる*くるり

くる*くるり

ふたりといっしょ

いつまでも










「    …お願いします。 」





さすがに こうまで言われては
ポジティブ思考だろう彼女も 怯んで
立ち去ってくれるかと思いきや…


ーーーー じゃあ その人が来たら
帰ります。



「  どうして…?   なんで そんな… 」



ーーーー  だって…   ずっと私、、


「   いい加減にしてくださいっ!」




待っても来ないユノ、
待ち人が来たら帰るだなんて…
ユノが来るはずないのに。



やはり この人には 何を言っても
通じない。 諦めた僕は もう黙って
目の前の池だけを見つめていた。

背後の彼女が 隣に来て 座った。

そこはユノの場所だ。
でももう 抵抗する気力も失せた。

そのまま 時間は過ぎていった。
口を開くこともない。 足先は
寒さで痺れて 感覚がない。
僕より 薄着の彼女も 小刻みに
震えているのがわかった。



「   …はぁ…   帰ります…  」



ーーーーでも、まだ、



「   あの人は来ません。
来ればいいけど 来ません。」



ーーーーあの…


「   僕に構うのはやめてほしい。
僕の気持ちは動きません、これからも。」



ーーーー羨ましいです、その人。


羨ましい? 意識もなくて 闇に
閉じ込められているあの人を?



「  …もういいでしょう? お互い
傷を増やす前に帰りましょう。」



立ち上がり 彼女に背を向け歩き始めた
その時だった。


背中に重みを感じ 抱きしめられていると
わかった。 柔らかな感触が 服の上からでも
わかる。
甘い香水の匂いもした。


ーーーー私なら クリスマスに貴方を
待たせません。



「    ……。」



ーーーー 少しでいい、 私のこと
考えてもらえませんか。



「    …… 。」



彼女は震えていた。
寒さのせいなのか この告白のせいなのか
僕にはわからない。
どちらにしても 僕は受け入れるつもりは
全くない。 ただ ガッツのある
女性だという 印象だけは 強く記憶に
残るだろう。



「   さようなら、気をつけて。」



脇腹に回された腕を解くと
前を向いたまま 浅く会釈をした。


お互い究極の片思いってわけだ、
歩きながら クスッと笑った。
わかってる、 彼女と付き合えば
楽しい日々が待ってるだろうし
将来だって夢見ることもあるだろう。

でも僕は あの日 ユノに魅せられてから
取り憑かれたように 想いは
募っていった。 これは僕の運命だ。



「   …よし、決めた。 絶対だ!」


自分の決断に清々しささえ感じ
公園を走り抜けた。


翌日 会社を半休し向かったのは
ユノが住んでいたマンションを管理している
不動産だった。


次の借り手がつく前に その部屋を
借りよう、そう決心したためだ。




つづく。









こんにちは。

またもや短いです😁
うーーん   雑談も面白い話題が
まったくない…🥺

そういえば 昨日モッパンの時の
動画をあげてくださってる方がいて
ひたすら それを見てました(笑)







幸せじゃ。
また やってくれないかな。

盲目 お花畑って思われてもいいんです。
それが 私の応援スタイルですから❤️


それでは。
いつもありがとうございます😊

励みになります、応援ありがとう😊 


にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村