「親子とも一生懸命やっているけれど成績が伸びません」
このような相談はとても多いです。
学習者は自分より優れた成績を収める人間との間に大きな壁を感じてはいても、それが具体的に何なのかはなかなか気づけないものです
周りの誰にも原因がわからないのであれば、一度身近な先生を頼ってみるのがいいと思います。
それぞれのレベルによって課題となるところは違いますが、どの段階においても弱点は大体以下のようなことが障壁となっている場合が多いと思います。
①基礎能力不足
計算力や読解力は、目の前に問題を置かれてすぐに手が動くかどうかが重要になります。
日常的な練習による習得が重要ですが、習得してさえしまえば自転車の運転などと同じでずっと使える財産となります。
学力の中で一夜漬けが最も通用しない部分といえるかもしれません。
計算練習と文章の正確な読解は、ある程度の水準に達するまで繰り返す必要があります。
②基本が修得できていない
勉強の各分野において「基本をいかに正確に理解しているか?」はそのまま応用力を発揮する場面で大きな差となって現れます。
多角的な発問に耐えうる基礎の正確な理解、思い込みにいかに気付き修正するか。
基本ができていないまま応用問題に取り組んでも、何が原因で理解できていないのかすらわからないという状態になりかねません。
「何度でも基本に立ち戻って考えること」これはどの段階であっても必要なことです。
また、①で挙げた基礎能力は、基本事項の修得に大きく影響してくる能力でもあります。
③やる気のコントロール
短期的なやる気を引き出す方法は数あれど、継続した「やる」状態を維持するには気合いだけではどうにもなりません。
個人差のある事だけに、自分の中のアンコントローラブルな部分と自分自身が向き合って解決していく必要があります。
大切なのは自分の感覚に素直になることと、自分を上手に説得してあげることでしょうか。
理想を言えば「勉強そのものが楽しい」と思えるようになることが一番ですが、そこにたどり着くまで様々な苦労があることでしょう。
④ワーキングメモリー
ワーキングメモリ(Working Memory)とは認知心理学において、情報を一時的に保ちながら操作するための構造や過程を指す構成概念です。作業記憶、作動記憶とも呼ばれます。
「記憶」→「整理」→「削除」を効率的に行うことで、勉強においては「素早く正確に解く技術」と「基礎の習得の速さ」にも関わってきます。
普段から時間を意識して取り組むことや、丁寧に問題文の条件を整理することの両方が向上につながります。
素早くても雑な勉強を繰り返していては逆効果です。
試験範囲を勉強することも大切ですが、勉強に苦手意識があるなら脳を勉強向きに育てるところから始めてみてはどうでしょうか。
その方が結局は近道だったりするかもしれません。