こんにちは。

また今回も姓名判断ネタであります。

ここまで自力でいろいろ調べてみた中で、姓名判断にトンデモ流派があるのにはなれてきましたが、逆に主流派でも理屈的におかしいと思えることもでてきました。

 

何が疑問かというと、漢字や平仮名だけでなく、いくつか記号が名前に使えることは調べてきた中でわかりましたが、記号は独立した文字ではありません。

しかし、名前に長音記号の”ー”を入れると、しっかり単独に一画として数えられるようです。

この理屈だと記号自体にも数霊が宿ることになります。あえて長音記号に文字としての意味を付けるとするとWikiより直前の文字の母音文字ということになるでしょう(スタッカート的な特別な表記(”・”や”、”、”(スペース)”等)をしない限り、アクセントのきまりのない名前では発音としては同じになるので)が、その数え方をしている流派は見つけることができません。

同じ記号文字である踊り字のほうは前の文字の画数を数えているのに、これでは矛盾してしまいますね。

記号自体に数霊が宿るのなら、なぜ踊り字の画数は無視できるのでしょう。

康煕字典派は本来の記号文字に宿る数例を取るということなので、本来の文字というのが”直前の漢字そのもの”なのか、”同じ字を繰りかえすことをあらわす意味をもつ記号文字”なのかで違ってくるのでしょう。

もし”々”の数霊をだすとすると、日本で生まれた字であり、康煕字典派の考えでも平仮名等、日本で生まれた文字はその筆画数から数霊をだしていることから考えると3画でしょうか。なおいくつか姓名判断のサイトを見てみると、”々”は3画のほうが的中率が高いと書いてあるところが複数見られます。

新字体派が現代自体の画数、純旧字体派が日本に入ってきた時点での漢字の実画数、旧字体派(≒康煕字典派)が初めて画数が意味を成しそうな初期の隷書体(古隷)の実画数と考えれば、すべて実画数と考えることができますので3画となるでしょう。(ただ後で述べるように、踊り字があくまで”仝”が変化したものと考えると、”仝”の康煕字典体での5画もありえます)

いくつか例を挙げてみますと、仙人の姓名判断というサイトでは熊崎式の数え方でも3画のほうが良いという説があることを述べています。

新字体のサイトでも、こちらで3画のほうが当たると書いてあります。

Fairy-tale Dreamerというサイトや、占い007というサイト(なぜか某掲示板で評判がいいようです)でも、康煕字典の数え方ですが”々”は3画です。

 

その他、つっこみだすと記号文字だけでなく起源が一つでない漢字の画数とかも問題になるようですが、すべての字の数霊の影響がでる、というくらいしか妥協点は見つからないのでしょうね。

 

また、あくまで個人的な意見ですが、佐々木さんは戸籍に”佐佐木”さんとも登録できるわけですが、あえて”佐々木”さんと登録しているわけですから、”々”の元になった字は”同の字点(仝)”ということで、元が日本で発生した”仝”の俗字で登録されているととらえることもできます。現在は明治時代の”踊り字の沿革”もあってか、”二の字点”と同じ使われ方になってはいますが、もともとは直前の文字の繰り返しではなく、”仝”と同じように使われていた字であったようです。

(”踊り字の沿革について”という調査文献から)

※上記の調査文献の本文の冒頭に

小稿で考察の対象とするものは、主として畳符「々」の沿革であるが、「々」はあるいは文字から畳符へと転じていったのではないかと思われるところに関心を持つ

とあり、使われ始めのころは俗字の”仝”の別字体(おそらく略字体)であったものが、現在は踊り字として統一されてしまったようで、”々”は漢字扱いになっていませんので、解釈が難しいところです。

踊り字の沿革について”の中に、最初に見出されたときのこの形の文字(鎌倉末期の観智院本類聚名義抄)が、「同じ(同上)」の意味であること、その形が”合”の草書体の”口”部を除いた上の部分と酷似していること(”仝”の上の横線までと同じ形)、”人”の形をした踊り字もでてきていたこと(”仝”の字は部首がいりやねであり、”仝”の草書体のいりやね部では”人”に似た書かれ方)、”鳥兎々敷”のところで述べられているように2字を一つの踊り字で表現していること等から、”仝”の略字である可能性が非常に高いと思われます。踊り字自体が文を簡略化する目的であることから、文字も簡略化したいと思うのは必然の流れかと思います。

こちらのサイトの同ノ字点「々」の説明でも同じ見解のようです。

同じ和製文字である平仮名、カタカナは当初から漢字を崩して一つの音をあらわすために別物として作られたのでしょうけれども、”々”はもともとあった漢字”仝”の俗字が似通った用途(畳符的な利用法)に併用された結果、もともとあった”二の字点”を置き換えてしまったのではないかとみられます。

 

その場合で数え方を考えてみますと、熊崎式にのっとっているサイトでは異体字は康煕字典に載っている同義漢字の画数に無理やり変換しているところがあり、これをパターン1とします。

また、その他の熊崎式のサイトでは異体字の画数をそのまま用いているのもあります。

これをパターン2とします。

 

パターン1の考えでは”々”の画数は康煕字典にある元の字は”仝”(→”々”)で、画数は5画になり、

パターン2の考えでは”々”の画数の3画ということになりそうです。

ですが、どこも5画を採用していないところを見ると、やはり漢字扱いではないので康煕字典に起源を求めることはできないという考えでしょうか。

しかしながら長音符号のところで述べたように、符号にも数霊が宿り、元々は漢字の”仝”と同様につかわれていたこと、その漢字が康煕字典に存在することから、5画という考え方があってもおかしくない気はします。平仮名やカタカナをもとになった漢字の画数で数える流派ならありましたので、こちらの考えだと5画になるかもしれません。

つくづく、考え出すと姓名判断はきりがありません