前回と同じ話題になりますが、姓名判断のある流派が主張している

【若年で親子が死別した事故死亡者の約58%は3,5,9,13,15,19画が名頭】

 

について考えたいと思います。

まず思うのが、名頭の画数で思わしくない画数を出したいなら、なぜ6つに絞る必要があるのでしょうね。

推測になりますが、同格の桑野式のアイデアで、10、20を足したものが似通っているというのを採用したというところでしょう。前回のブログの5画の事故統計の件で、この流派がそもそもの母数を考慮していないというのがわかりましたから、全体的にかなり少ない部類の名頭19画がここに入るわけがありません。仮に入ったとしたら、相当な確率で名頭19画の人が出てくることになりますね。(ちなみに後述の調査で、若年死亡事故被害者423人中、19画の被害者は1人だけでした)

 

仮定になりますが、この流派が姓名判断のはやりだした大正-昭和時代にお客の名前から統計を出していたのであれば、こちらのランキングによると、

男性でベスト10のうちの5つ(つまり50%)が5画の”正”が名頭だった年もあるようで、3画の”三”、5画の”正”、9画の”茂”(旧字体)、”勇”はほぼ常時ランクイン、5画の”弘”がかなりの人気の名頭です。

女性は男性よりはばらけていますが、それでも3画の”千”、”久”、”キ”、9画の”貞”、”美”がかなりの人気の名頭。(ちなみに男性の13画の”義”、女性の13画の”愛”もかなり人気)

こんな時代に母数を考えず統計を取っていたら3・5・9画が多く出るのは当たり前です。

例として出ている名前の名頭がそもそも

   義(13)

   映(9)

   功(5)
   千(3)
   昭(9)
   慶(15)
   稔(13)

で、大正から昭和の初めに流行った名前のようですから、統計がお客のものであったとしたら、かなり昔なんでしょうね。

 

もしそうでなく、近年のデータからデータを取っているのであれば、手元にある死亡事故のニュースをいくつかピックアップしてみましたが、親子ででかけて親のほうが亡くなったというニュースは子供の死亡事故に比べて極めて少ないようなので、近年の子供のほうのこれらの画数が名頭に多いということになります。

 

ここでは簡単に掘り下げるため、20画までの漢字のすべての漢字の画数の文字が同じ数だけあると仮定します。(21画以上の名前につかえる字は非常に少なく、こちらのサイトで数えると全3101字中45字のみ、まず書くのが大変なのでよっぽどのことがない限りつけないでしょう)

例えばそれぞれの画数の名頭が上記のような事故にあう確率は

5%は各画数であることになるので、5画、9画、13画、15画、19画も同様だとすると事故被害にあった親または子の30%は名頭の画数が3、5、9、13、15、19画ということになります。

58%ということは、平均の頻度の2倍近くは出てこないとおかしいとなります。


 

さて、考察に入りますが、記事に名前が出てくるのが大体子供のほうということで、子供の名前の画数分布を調べます。

こちらのサイトでみてみると、名前の先頭ではないものの、平成を指定した名前ランキングで、昨今の晩婚傾向を鑑み、人口が一番多いところと思われる団塊ジュニアの1970年の30年後の2000年前後で調べてみます。

このころはベスト10までしかなく、ブレが大きく予想されると思いますので、2014年以降のベスト30と合わせて考察します。

 

みてみるとわかりますが、旧字体で大体7個くらいベスト10にランキングしています。

すべての画数が同じと仮定するとその画数がベスト10に入る確率は

1/20がランキング10×2のなかにでてくればいいので、1つ出てくればいいことになります。

それが3,5,9,13,15,19と6パターンですから

該当する画数の漢字が6個出てくれば平均的な頻度といえるわけで、7個でてきていますから、平均すれば、この6パターンは通常よりちょっと多め位の頻度といったところでしょうか。

そう考えると、58%というのはさすがに高すぎて腑に落ちないので、インターネットの情報をあさって、親子の不慮の死亡事故(虐待事故も別に意図的にやっているわけではないので含めます)を調査してみました。

 

まず上と同様にして、平成元年(1989年)から平成25年(2013年)までの名前も(ベスト10までしか出ていないため多少荒くはなりますが、ただ期間が長いのでサンプル数は多いです)、ベスト10限定で平成以降のそれぞれの画数のベスト10に出てくる平成25年(2013年)までの回数を数えますと、

 

3画     73(73)回
5画     4(4)回
9画     61(55)回
13画   37(43)回
15画   18(25)回
19画   0(0)回

※ ベスト10×2(男女)×25(平成元年(1989年)から平成25年(2013年)の年数)=500件中

 

また、2014年から2021年までは男女30傑まであるので、それを数えたものを数えますと

 

3画     17(17)回
5画     16(16)回
9画     34(35)回
13画   41(32)回
15画   25(26)回
19画   0(0)回

※ ベスト30×2(男女)×8(2014年から2021年の年数)=480件中

 

また、記事や掲示板から、不慮の事故の被害者の名前が判明した件数は423件。

その内訳は

 

事故合計件数 423
3画     16(16)件
5画     11(11)件
9画     44(39)件
13画   39(32)件
15画   17(16)件
19画   1(1)件
計     128(112)件

・・・①

※ 今回は事故のみで、病死、他殺、自殺等は数えていません。

※ ()内は旧字体、言及している流派は草冠、しんにょう、しめすへんを除いて部首の画数は変えていないようでしたので、その方法にしています。また、藍に含まれる臣は、こちらによると昔は6画だったようで、新字体では7画と数えますから、草冠は4画と数える流派だと新字体と旧字体の画数は同じになるようで、藍は旧字体でも(19画ではなく)18画としました。

 

割合的には423件中112件ですから

112÷423=0.2647・・・

 

従って26~27%程度がこれらの画数です。さすがに58%も行くとは思えません。

この流派が主張するのが旧字体で、新字体のほうがまだ割合が高いというのが皮肉です。心配な方は、自力で検索して調べてみるとよいと思います。

※ 議題の流派によると、毎日新聞の記事による集計といっていますので、毎日新聞と、その関連会社であるTBSは多めに出るかもしれませんね。深い意味はないかもしれませんが、利害関係がまったくないとも言い切れませんので。

 

58%というのはいったいどこから調べたのでしょうか。

ソースを示してほしいものです。


平成元年(1989年)から平成25年(2013年)までの事故を集計しますと、

 

事故合計件数 119件
3画    2(2)件
5画    2(2)件
9画    9(8)件
13画  13(11)件
15画  6(5)件
19画  0(0)件
計    34(28)件

・・・②

旧字体()内でみますと、119件中28件ですから、

28÷119=0.2352・・・

23~24%程度が事故者の該当画数が名頭になる確率で、議題の流派の主張する58%には遠く及びません。

 

平成元年(1989年)から平成25年(2013年)まででは①-②ですので、

事故合計件数 304件
3画   14(14)件
5画   9(9)件
9画   35(31)件
13画  26(21)件
15画  10(11)件
19画  1(1)件
計    97(86)件

・・・③

旧字体()内でみますと、304件中86件ですから、

86÷304=0.2828・・・

28%程度が該当画数が名頭になる確率で、議題の流派の主張する58%にはやはり遠く及びません。

ここからは個別の画数についてみていきます。

 

・3画について

平成元年(1989年)から平成25年(2013年)までの名頭3画の事故件数は③から旧字体で14件でした。

平成元年(1989年)から平成25年(2013年)までの事故件数が304件、男女のベスト10に現れた回数が73回でしたので(※文末のメモ参照)、3画名頭の割合は

73÷(10×2×25)=0.146

従って予想事故件数は

304×(73÷(10×2×25))=44.384

こちらは事故カウントでは旧字体で14件と、圧倒的に少ない結果が出ました。

一番人気と思われますので、予想としては、上位に”大”の付く漢字が固まっていると予想され、特にベスト10だけでは少数派との差が開いてしまったのと、3画だと漢字のバリエーションが非常に少ないため、組み合わせの少なさ的に下位のほうでは少なくなってしまうのだと考えられます。

それをさしひいても、議論の余地がないですね。

 

2014年以降の名前ベスト30を見てみると、

男女のベスト10に現れた回数が17回でしたので(※文末のメモ参照)、3画名頭の割合は

17÷(20×25)=0.034

従って予想件数は

119×0.034=4.046件

となり、インターネット調査では②から2件でしたので、これも予想より少ない結果となりました。

議題の流派の理論とはかけ離れています。

 

・5画について

この画数は平成以降名頭として人気がないため、予想するのが大変になりますので長い説明になります。

この5画というのははやりすたれが激しい傾向らしく、ベスト10ともなると、人口が多いところとはいえ2017年から2021年の間に4回ランクインするだけで、他の年は0に切り捨てられてしまい、ただでもマイナーなうえに人口が多いところに4回集中しているため、他の21年間はすべて切り捨てということになっており、誤差が多くなる原因になってしまいます。少数でも21年間も積み重なればそれなりになりますが、0に切り捨てられてしまうと、もともとの割合が低いだけに少数の切り捨てでもかなり影響が出てしまいます(昭和の終わりでは30傑で見ればまだ”由”等が根強く複数ランキングしており、初音未来ブームで女の子の”未来”だけはブームを過ぎた後でも2014年にベスト30の中に現れていたことを考えると、女子だけで考えても30傑×2でも0ということは考えにくく、たとえ30傑から漏れたとしても、それなりに30位近辺にいると思われます)。

2014年以降を見ても、ベスト30に5画名頭が一切出てこないのは2015年だけで、おそらく姓名診断を気にする人で、あえて5画の名頭を選びたい人も一定数いると思われますから、切り捨てられた部分は30傑×2に1つは現れると考え、21/(30×2×25)で数えても多いとは言えないと思われます。

その仮定で、ベスト10に現れた4件(※文末のメモ参照)にそれを含めますと、名頭5画が現れる割合は

4/(20×25)+21/(30×2×25)=0.022

となり、予想される事故数は平成元年(1989年)から平成25年(2013年)までの304件にこれをかけ

304×0.022・・・=6.688

となり、見つかった事故の件数③から旧字体だと9件で、誤差は2件ちょっととなります。こちらのサイトの大規模調査では、初音ミクブームによって、この期間にすこぶる人気のない名頭5画が普通ありえないような2位(1998年)の位置を記録していますから、多少件数は通常より上がってもおかしくありません(上位に行けば行くほどランク間の数の差は大きい)ので、2件くらいなら誤差としては許容範囲ではないでしょうか。

出現率はおよそ2.9~3(9/304×100=2.9605・・・)は議題の流派の主張する3・5・9・13・15・19画の現れる確率の平均である58/6×100=9.66・・・%には遠く及びません

 

気になった点として、女子の名頭5画は女子ではベスト10に4回(別のサイトでは5回出てきたのもあった)でてきており、2014年にベスト30が見れるようになった際にはベスト30にも現れていたのに対し、男子はベスト30に入ってくることは平成元年から2017年になるまで全くなく、名前ランキングを見る限り、男子の名頭5画は女子に比べ格段に人気が落ちるにもかかわらず、事故の内訳をみると男子平成元年~2016年の28年間、男子5件、女子4件と男子の件数が女子より多かったことです。

こちらの記事を見ると、若年死亡の男子の割合はせいぜい6割強なので、平成元年(1989年)から平成25年(2013年)の間、女子名頭5画より格段に人気が落ちる男子名頭5画が、女子名頭5画より多いのはおかしいということになります。

考えられることは、男子だけが名頭5画の運勢が悪いか、男子の名頭5画は下位に広く分散していて、名前ランキングの見た目より実際には多い可能性です。前回のブログで、名頭が”正”の名前のバリエーションが非常に多いことが姓名分布の上位10000件の名前が載っているサイトの調査で分かりましたが、このあたりも影響しているかもしれません。父親は自分の名前の一部を付けたがりますし。

(※ インターネット調査で女子の事故で出てきた名頭5画の名前は人気の”未来”以外ばかりでしたので、女子が”未来”だけに偏っているのも考えにくいです。)

前者は少々考えにくいですので、後者とは思いますが、そう考えると男子の名頭5画の人気はベスト30×2(男女)の見た目よりも高いことになります。

 

2014年以降でみると、ベスト30×2(男女)に5画の名頭が入ってくる回数は8年で16回、ベスト30に出てこなかった回数は1回(※文末のメモ参照)、平成以降2013年までと同様に、切り捨て分はベスト30の3倍(ベスト10から見たベスト30は3倍)のベスト90×2(男女)に一回出てくるとすると、切り捨て分は小さくてほぼ無視できますので、5画名頭の割合は

16÷(30×2×8)=0.0333・・・

従って、予想される件数は2014年から2021年までの119件にこれをかけ

119×0.0333・・・=3.9666・・・

ですが、2017年以降に名頭5画の人気が集中的に上がっていたことを考慮します。

死亡年齢は1年未満が非常に多く、さらに3歳以下が目立つので、2021年(ベスト30に出てくる回数は1回でした※文末のメモ参照)はまだ1年半しかたっていませんので、7割程度(執筆時8月末)減らし(つまり1×0.7=0.7)、3年前の2019年~2020年(ベスト30に出てくる回数は9回でした※文末のメモ参照)までを、7割程度が事故件数に現れるとして3割減らすとし(9×0.3=2.7)、計0.7+2.7=3.4回分減らし、誤差を減らしたものは

119×(16-3.4)÷(30×2×8)=3.12375

実際にカウントされた件数が②から旧字体で2件でしたので、実事故数は実際に名前に使用される頻度から出した件数より少ないレベルになります。

これも、議論の余地はありませんね。

 

・9画について

平成元年(1989年)から平成25年(2013年)までの件数が304件、事故件数は③から旧字体で31でした。

平成元年(1989年)から平成25年(2013年)までの名頭9画の男女のベスト10に現れた回数が55回でしたので(※文末のメモ参照)、9画名頭の予想割合は

55/(10×2×25)=0.11

従って予想件数は

304×0.11=32.78件

実事故件数が②から31ですので、予想件数より少なく、人気度から出現率は31÷304=0.1019・・・=10.2%程度と高いですが、実際に使われていると思われる頻度より少ないのでまったく問題ありません。

 

2014年以降でみると、2014年から2022年8月現在までの事故件数がトータルで119件、ベスト30に現れた回数が旧字体で35回でしたので(※文末のメモ参照)

119×35÷(30×2×8)=8.6770・・・

2014年からの事故件数が②から8件でしたので、実件数のほうが予測値より少なくなりました。9画名頭もまったく問題ないといえます。

 

・13画について

平成元年(1989年)から平成25年(2013年)までの名頭13画の事故件数は③から旧字体で21件でした。

平成元年(1989年)から平成25年(2013年)までの件数が271件、男女のベスト10に現れた回数が43回(※文末のメモ参照)でしたので、単純に考えますと予想される事故件数は

304×(43÷(10×2×25))=26.144

なのですが、この13画の特徴は、新字体でベスト10にでてきた36回のうちベスト3が半分近い15回、旧字体では43回の1/3以上の15回とベスト3未満に集中していることです。

トップからベスト3ともなりますと、ベスト10に出てくる回数が少なくても、出現回数としてはかなり増えます。

以下に平成元年から2013年までの13画※()は旧字体のトップ、ベスト3、ベスト5の出現回数をまとめました。

トップ     3(4)
2位-3位   12(11)
4位-5位   4(6)

ベスト10出現回数36(43)

参考として、こちらのサイトが、数は多くないものの、直近2年の件数をカウントしていますので、3位までに半数近くが入っていることから、3位をピークとしたグラフで近似すると、5位と6位の平均数値が3位になるということで、3位の平均を5位と6位の平均で割った値をかけて補正することにします。

2年間の男女の3位、5位、6位はそれぞれ以下のようになっていますので、

3位
356+360+237+281=1234
5位
337+328+221+240=1126
6位
334+296+217+232=1079

5位と6位の平均=(1126+1079)÷2=1102.5

 

これをもとに補正を入れますと

26.144×1234÷1102.5=29.2623・・・

が予想される出現回数となり、③からの実件数21がこれよりかなり少ないところまで説明がつきます。

ちなみに13画は新字体の件数のほうが多かったのですが、これを同様に新字体に当てはめて計算してみると、予想される事故件数は

304×(37÷(10×2×25))=22.496

旧字体のほうと同様に補正を入れ、

22.496×1234÷1102.5=25.1791・・・

こちらは平成元年から2013年までの実件数が②から26件でしたので、予想件数25.1791・・・で誤差は1件未満となりました。

 

2014年以降の名前ベスト30を見てみると、

男女のベスト30に現れた回数が32回でした(※文末のメモ参照)ので、13画名頭の予想割合は

32/(30×2×8)=0.0666・・・

従って予想件数は

119×0.0666・・・=7.9333333333333333333333333333333・・・件

となり、旧字体でインターネット調査が11件ですので、誤差は3件程度ですが、平成元年から2013年までの実事故件数が名前の人気からの予測を8件も下回っていましたので、こちらは多少時期に偏りが発生したと考えればまったく問題ないレベルでしょう。

また新字体だと男女のベスト30に現れた回数が41回でしたので

41÷(30×2×8)=0.0854・・・

119×0.0854・・・=10.1645・・・件

平成元年から2013年と同様に順位の偏差を見てみると

全体のベスト30に現れた回数41(32)

ベスト30のうちのベスト10までに現れた回数15(10)

と新字体では41÷3=13.666・・・回現れるべきところが15回と少しだけ上位に偏っていますので、簡易的に同じペースではベスト30だと45回現れるはずですが、41件しか現れていない、つまり偏差があると考え、41÷45=0.9111・・・から、27位までに13画すべてが現れると近似して、27位までの合計と30位までの合計の比での増加分偏りによる補正値とします。

サンプルは平成元年から2018年までは30位以上まで同名回数の乗っているこちらのサイトを参考にさせていただき、

男子の30位までの合計件数 506件

女子の30位までの合計件数 513件

男子の27位までの合計件数 472件

女子の27位までの合計件数 480件

でしたので予想出現の補正後を入れますと

118×0.0854・・・×(506+513)/(472+480)=10.8799・・・

2014年以降の新字体の名頭が13画の実事故は13件でしたので、誤差は2件程度となります。
なお、こちらに実在するDQNネーム一覧の記事がありますが、13画の漢字はなぜかDQNネームの名頭として人気で(※1)、それ(DQNネーム)が理由でブログ等の記事に残りやすいようで、他の画数より少々多めに見つかってしまうのは致し方ないところはありそうなのと、このサイトに出てくるような名前を付けるような親は失礼ながら多少無責任なイメージがありますので、事故も多少増えてくるかもしれません。(自分も育ちは良くないですが、この名前のリストを見るとびっくりするようなレベルです)

そう考えると、誤差2は許容範囲ではないでしょうか。

(総括で述べる幼少事件・事故の一覧を上げているサイトの件数分まで含めて考えたら、むしろ実件数のほうが少ないぐらいです)

また、13画については今回、調べていた中で、20人以上被害者がいた中で名前が公表されたのがたまたま13画の一人だけというのがあり、これによりさらに誤差が大きくなったと思われます。

その他の特記事項としまして、調査結果からこれらの名頭画数の被害者の事故ばかりでないのは明らかであるのに、不自然に3・5・9・13・15・19画の被害者ばかり取り上げられている記事を偶然見つけてしまい、これをみると少々不自然に感じられます。

これについては総括のところに追記してあります。

※1 数えてみたところ、これらのDQNネームの名頭の画数割合は
3画       8/120=0.0666・・・
5画       7/120=0.0583・・・
9画       11(9)/120=0.075
13画     12(15)/120=0.125
15画     3(4)/120=0.0333・・・
19画     2/120=0.0166・・・
で13画が非常に多いです。

 

13画は事故率の不運ではなく、記事の取り上げられ方に不運を感じなくもないですが、実際に名前の人気から予測される出現頻度から予想したものとたいして変わるわけでもなく、この画ばかりが事故にあっているというわけではまったくありませんので、議題の流派の主張があてはまるわけではありません。

 

・15画について

平成元年(1989年)から平成25年(2013年)までの名頭13画の事故件数は③から旧字体で11件でした。

また、平成元年(1989年)から平成25年(2013年)までの件数が298件、男女のベスト10に現れた回数が22回でした(※文末のメモ参照)が、

さらに、5画と同じ理由で切り捨てられたものが旧字で9年で多かったのでそれも考慮に入れ、ベスト10にない年3回にベスト60の中に一つは出てきたと換算しますと、

304×(22÷(10×2×25)+9÷(30×2×25))=15.2

こちらは事故カウントでは旧字体で11件と予想値より少なく、少ない分は問題ないでしょう。

 

2014年以降の名前ベスト30を見てみると、

男女のベスト10に現れた回数が26回でしたので、13画名頭の割合は

26/(20×25)=0.052

従って予想件数は

119×0.052=6.188件

となり、実事故件数はインターネット調査は②から5件ですので、これも予想値より少ないです。15画もまったく問題ありません。

 

・19画について

平成元年(1989年)から平成25年(2013年)までの名頭13画の事故件数は③から旧字体で1件でした。

平成元年(1989年)から平成25年(2013年)までの件数が290件、男女のベスト10に現れた回数が0回でしたが、

少数派はベスト10では切り捨てられるのでしょうがないですが、

そもそも事故件数が1件しかないので、誤差レベルでしょう。

2014年以降はそもそも該当名の事故件数が0件でしたので省きます。

 

・総括

これまで名頭3・5・9・13・15・19画の名前の事故件数と、(事故合う合わないにかかわらない)名前の頻度を見てきましたが、これらの画数の名頭の名前で、議題の流派が主張するような明らかな事故の多さは見受けられませんでした。

しかし、事故にあいやすいというレベルの不運ではなく、なぜかこれらの名頭の名前が記事に取り上げられてしまいやすいという不運はあるようには感じました。特に海外等では13画は縁起が悪い数字として有名ですから(姓名判断的には吉数ですが)、中にはインパクトを出すためにあえて13画の名頭の名前を選んで記事にしているという可能性もあります。

心象的には、特に過去の事件の記事(公判記事など)によくでてくる感じですね。

よく見つかるのが過去のピックアップ(蒸し返し)記事というのもミソです。何か意図的なものを感じてしまいます。

 

これに関しては、こちらの記事のような、本当に偶然なのか?と疑いたくなるような取り上げられ方もあるようです。

 何が問題かといいますと・・・

平成以降で実際にネット上で見つかった事故のこれらの画数割合はインターネットで情報を集めた限り3割にも満たない程度で、実際の名前頻度とあまり変わらなかったわけです。

にもかかわらず、この記事では加害者・被害者の画数のほとんどが3・5・9・13・15・19画のどれかです。

【※ 殺害や自殺を含めて考えますと、こちらのサイト(幼少事件・事故の一覧を上げているサイト)が事件中心に事件を上げているようですので、参考にさせていただき、平成生まれ以降をピックアップしてどれだけこれらの画数が多いか見てみますと、

平成件数 222件

3画              12(12)     12/222=0.0540・・・(0.0540・・・)        5.4(5.4)%
5画              8(5)        8(5)/222=0.0360・・・(0.0225・・・)      3.6(3.6)%
9画              28(23)    28(23)/222=0.1261・・・(0.1036・・・) 12.6(10.36)%
13画              7(9)      7(9)/222=0.0315・・・(0.0405・・・)      3.15(4.05)%
15画              7(7)      7(7)/222=0.0315・・・(0.0315・・・)      3.15(3.15)%
19画              0(0)      0(0)/222=0(0)                                         0(0)%

該当画数計   62(56)   62(56)/222= 0.2792・・・ (0.2522・・・)  27.9(25.2)%

やはりこれらの画数に当たるのは3割弱で、事故の調査と大差ありません。

 

※2 余談ですが、新字体の名頭13画についてはインターネットで調べた件数の13画の割合が304件中39件(8.55%)でやや多かったわけですが、こちらのサイトの情報をもとにした場合、3.15%とかなり少なくなっていますね。こっちと合わせて考えれば、13画の事故・事件頻度は予想値より少なくなりそうです。】

しかも都合よく、唯一当事者でこの画数でない親だけは実の親ではありません

血のつながっていない親がこれらの画数でなかったのまでは意図的でなかったとしても、
どれだけの確率でそうなるかといいますと、まず記事に出てきた子2人ではこれらの画数に該当する率は上記の通り3割弱×3割弱程度。
加害者の母親2人については、名頭の漢字画数は20画以上はそうそうないことから考えてこれらの名頭になる確率はおよそ

(3・5・9・13・15・19の)6通り÷(20画それぞれの)20通り=3/10。

親が生まれた昭和の終盤のこれらの名頭の出現確率が少し高かったと仮定して3/10強としても(ちなみに※3より平成元年、つまり昭和終了直後でも11.7%(1.17/10)程度)、確率的にはおおよそではありますが、記事に出てきた当事者の母親は2人ですから、
3/10弱×3/10弱×3/10強×3/10強≒81/1000=0.81%
わずか1%にも満たない確率です。

本当に偶然なんでしょうか。

※3 文末のメモより、平成年、ベスト30に出てきた名頭3画は2回、5画は0回、9画は2回、13画は2回、15画は1回、19画は0回ですので

これらの名頭の出現確率としては(2+0+2+2+1)÷30×2(男女)=0.1166・・・で11.7%程度です。

さらにいうと、登場人物に3・5・9がつく年齢がやたらと目立ちます。これも疑念を生ませる理由になってます。(さらに基本数(1と10の位の数を足す)まで考えたら、ほとんどすべての人物の年齢が3・5・9系です)

さらにもうひとつ、”絶対に忘れてはならない子殺し事件とまで銘打ってありますが、正直なところ、ピックアップされたものよりも、もっと悲劇的なひどい虐待事件はいくらでもあります。

よっぽど意図的に事件を抽出しないと、こうはならないと思いますが、どうなんでしょうね。

事件の被害者の名前を出す出さないは記者の独断で決められるそうなので、もしこういった流派にかかわりのある記者(副業など)が一人でもいたとしたら、それだけでこれらの画数が名頭の記事が出てきますので、意図的にこれらの名頭の画数を記事に採用されたら予想値との誤差は必然的にでてきてしまいますし。

 

追記:編集中にまた似たような記事が出てきましたので、記事が消えたときのために引用しておきます。

殺人と傷害致死の罪に問われているのは住所不定・無職の田中涼二被告(42)です。起訴状によりますと、田中被告は去年、当時住んでいた福岡県飯塚市の自宅などで養子で当時9歳の大翔さんを繰り返し暴行して死亡させ、遺体を放置しました。 また、その10日後に鹿児島市のホテルで当時3歳の長男・蓮翔ちゃんと2歳の長女・姫奈ちゃんの首を絞め殺害したとされています。 20日の初公判で田中被告は、殺人の罪は認める一方で、大翔さんへの傷害致死罪については「暴行によって死んだかは分かりません」と、起訴内容を一部否認しました。

過去の事件の記事ですが、これもみてみると子供の名前が挙がっているものすべての名頭の画数が旧字でみるとすべて3・5・9・13・15・19系です。

養子が含まれていることもあってか、親の名頭の画数はこれらの画数から外れている(ただし康煕字典派の旧字体の画数は12画で、基本数1+2は3になります)ようですが、子供のほうはきっちりすべてこれらの画数です。

3人いますので、前の記事と同じように旧字体で数えた場合の、(特に意図しないで)記事に掲載される確率は、上の※の事故・事件でのデータから出してみると、該当名頭画数が3人出てきていますので、

56/222×56/222×56/222=0.01605・・・ 

1.6%程度。

さらに3・5・9系が苗字の先頭だと天地衝突で大凶という流派もありましたが、苗字の先頭まで見事に3・5・9系です。

苗字の先頭文字の実際の実事故の旧字体での画数頻度は幼少事件・事故の一覧を上げているサイトのうちの平成データから抽出させていただくと、

(なお苗字の先頭画数の頻度は繁栄した家系の苗字ほど出てくるので事故率とは全く関係ありません。また苗字ランキングのサイトによれば、ベスト10の半分の苗字の先頭が3・5・9系の画数です)

平成以降
 事故件数計 222件
3画  35
5画  19
9画  16
13画 7
15画 3
19画 8

計  88

で、幼少事件・事故の中で苗字の先頭に3・5・9が出てくる確率は88/222ですので、これも考慮すると

56/222×56/222×56/222×88/222=0.006362・・・

となり、この記事がランダムで出てくる確率は約0.6%にまでになります。

ちょっとやそっとで出てくるようなものではないのですけれどね。

 

 

 

メモ

最後に、以下に平成元年(1989年)から平成25年(2013年)までと2014年以降のベスト30に現れた回数を、自分のメモ用に取っておきます。

※ ()内は旧字体で回数が違う場合
3画
1989  2
1990  2
1991  2
1992  4
1993  4
1994  3
1995  3
1996  4
1997  3
1998  3
1999  3
2000  2
2001  2
2002  3
2003  3
2004  4
2005  4
2006  4
2007  4
2008  3
2009  2
2010  3
2011  3
2012  2
2013  1
計    73(73)

5画
1989  0
1990  0
1991  0
1992  0
1993  0
1994  0
1995  0
1996  0
1997  1
1998  1
1999  1
2000  0
2001  1
2002  0
2003  0
2004  0
2005  0
2006  0
2007  0
2008  0
2009  0
2010  0
2011  0
2012  0
2013  0
計    4(4)

9画
1989  2
1990  3
1991  4(3)
1992  4(3)
1993  4(3)
1994  2
1995  3
1996  3
1997  1
1998  2(1)
1999  2(1)
2000  3(2)
2001  3(2)
2002  2
2003  3
2004  2
2005  4
2006  3
2007  2
2008  2
2009  2
2010  2
2011  2
2012  1(2)
2013  0
計    61(55)

13画
1989  2(3)
1990  2(3)
1991  2(3)
1992  2(3)
1993  1(2)
1994  3(3)
1995  1(2)
1996  1(2)
1997  1(2)
1998  0(1)
1999  1(1)
2000  1(1)
2001  1(1)
2002  1(1)
2003  1(1)
2004  1(1)
2005  1(1)
2006  1(1)
2007  1(1)
2008  1(1)
2009  2(2)
2010  2(1)
2011  3(2)
2012  2(1)

2013  3
計    37(43)

15画
1989  1(0)
1990  1(0)
1991  1(0)
1992  1(0)
1993  1(0)
1994  1(0)
1995  1(0)
1996  0
1997  0
1998  1(0)
1999  0(1)
2000  0(1)
2001  0(1)
2002  0(1)
2003  0(1)
2004  1(2)
2005  0(1)
2006  0(1)
2007  1(2)
2008  1(2)
2009  1(2)
2010  1(2)
2011  1(2)
2012  2(3)
2013  2(3)
計    18(25)

19画
1989  0
1990  0
1991  0
1992  0
1993  0
1994  0
1995  0
1996  0
1997  0
1998  0
1999  0
2000  0
2001  0
2002  0
2003  0
2004  0
2005  0
2006  0
2007  0
2008  0
2009  0
2010  0
2011  0
2012  0
2013  0
計    0(0)

 

2014年以降のベスト30に現れた回数


3画
2021 1
2020 1
2019 1
2018 3
2017 3
2016 2
2015 3
2014 3
計   17

5画
2021 1
2020 3
2019 6
2018 1
2017 3
2016 1
2015 0
2014 1
計   16

9画
2021 4(5)
2020 5(6)
2019 6(6)
2018 4(5)
2017 5
2016 5
2015 3(2)
2014 2(1)
計   34(35)

13画
2021 8(6)
2020 5(4)
2019 4
2018 3(2)
2017 5(4)
2016 5(3)
2015 5(5)
2014 6(4)
計   41(32)


15画
2021 2(3)
2020 3(4)
2019 5(4)
2018 6
2017 5(3)
2016 2(3)
2015 2
2014 0(1)
計   25(26)

19画
2019 0
2018 0
2017 0
2016 0
2015 0
2014 0
計   0(0)