5月に観劇した
「演劇 蘭 ~緒方洪庵 浪華の事件帳」。
観劇後、分からないことがいっぱいあった。
パンフレットを買えば良かったと後悔。
幸いにもこの劇には、原作がある。
いうことで、
通勤時間を使って読んでみようと、
原作、築山桂さんの
『緒方洪庵 浪華の事件帳 禁書売り』を購入。

普段、小説なんて読まないし、
見たことのないような字がいっぱいで、
だんだん眠たくなって… 
ギブアップ。
そんな日々が続いてた。
でも、不思議なもので
慣れてきたのか、すいすい読めるように。
(と言っても、並みの人よりも遅い。)
もちろん、
小説が面白かったからもあるだろう。
さらには、
舞台を観ていたから
章や左近、若狭が頭の中に浮かんできて
頭の中で駆け巡る感じが面白かった。

では、
過去の自分に答えてあげよう。

まず、
「在天って天神さんにいるから在天なのに、
江戸から来たの?」
そもそも、間違ってた。
確かに話の中は天満天神は出てくるけど、
「在天」の「天」は四天王寺でした。

〈在天〉とは難波の宮の昔からこの町に根をはる一族で、表では四天王寺の舞楽を継承しつつ、裏では大坂の町の闇の守り手として上代より連綿と生き続けてきたーーらしい。

と。
そして、

〈在天〉の血筋は江戸にもいるんだ。三代将軍家光の時代に、江戸城中の舞楽を行うために、京都、南都、四天王寺ーー上方の三方楽所から、数家が下がって江戸城紅葉山の楽人になった。その家筋とは今も密に行き来があって、儀式の度に下向することも多い

そうで、
左近は

大坂の楽人の父親が
江戸屋敷に滞在中に
女中に生ませた子。

「在天の左近と若狭、江戸から来たと。
なんで江戸から遥々
大坂を守りにやって来たのかー」

については、

母親は、左近を産んで直ぐに亡くなり
江戸屋敷では厄介者。
父親の顔も知らずに
14歳まで江戸で暮らしていたが、
父親が亡くなり
兄に呼ばれて大坂へと。

だから、上方訛りではないんだ。

「瓦版屋三吉は、隠密だった。
だから、身のこなしも鮮やかだったと。
で、何しに左近を探りに来たのかー」

については、
分からなかった。
三吉出てこなかったから。

「若狭、
左近との関係は何なの?ほんとに許嫁?
無愛想なの?気分屋なの?
章のことを「からかいたくなる」と言うけど、
若狭も突っ込み所あるよ?
最後まで掴めないキャラクターだった。
闇に生きる人だから、
あえての掴みにくさなのか?」

若狭について分かったことは、
〈在天〉の中では、左近より地位は上。
左近の行動の後処理をしている。
(してやっている。)
高麗屋を任されている。
愛想は無い。
商売っ気は無い。
章をからかわない。
(最低限しか関わらない)

まだ、本性は分からないな。

『禁書売り』には、
「禁書売り」の他も話も入っていて
章がどんどん厄介事に巻き込まれる。
でも、話が進むにつれて
突っ込んでいっているかも。
面白かったし、
若狭についてはあんまり分かってないし、
『北前船始末』も読もうかな。

そんなこんなで、四天王寺を見たくなった。
ので、用事のついでに行ってみた。

街中にあるのが不思議な感じ。
五重塔越しにあべのハルカス。
「蘭」の時代とは周りの景色は
大きく違うだろうな。
でも、西門から見える夕陽は変わらないかも。
街が見下ろせるけど
ビルや通天閣、観覧車から見る景色とは
また違うように思った…
のは、気持ちが入ってるからか?
お寺だけど、鳥居。
神聖な場所と俗界との境だから、
神社に限らないらしい。
舞楽を舞う石舞台は
池の上にある。
その名も「亀の池」。
亀好きにはたまらない!
素敵な所でした。