2008-01-20 08:18:08 | 文化

最近、映画の影響か昭和が人気だ。

それはそれで結構なのだが
昭和のダークな雰囲気がないのがいささか気にかかる。

先日、昭和好きな小学生が新聞の投稿を期に
豊後高田市に招かれたという記事を見た。
今の小学生からしたら、『オールウェイズ~』は
別世界でいい人ばかりで、といった感じなのだろう。
確かに、時計の針を戻せたらと思うときもある。

今ではもう覚えている人も少ないだろうが
昔、『夜明けの刑事』『明日の刑事』
といったTVドラマがあった。
坂上次郎の「すっぽんの鈴木」さんが主人公。
哀愁のこもった音楽が良かった。

主人公は、けっして格好良くなかったし
今では、その人情味とがむしゃらさが
疎まれる存在かもしれない。
その汗臭さ泥臭さ、主人公が仕事帰りに一杯やる
高架下の赤提灯で流れる「圭子の夢は夜開く」。
こういった濁濁とした薄暗さが
今の映画には再現されていない。

確かに、『オールウェイズ~』いいのだが
ただ単なるきれいごとの御伽噺のようにも感じられる。
大人になった今、昭和の影の部分の
こういった煤けて薄暗い雰囲気に
もう一度触れてみたい気分になるときがある。