さて。
通天閣のカフェで休憩中、A先輩が言いました。
「私、行きたいところがあったんだ~。
あのね。日本一美女が多い風●街が、大阪にあるんだって!」
そしたら、B先輩が、
「私、聞いたことある!確か通天閣のあたりですよ」って言ったもんだから、
A先輩、テンション上がっちゃって、一気に行きたいモードに・・・。
でも、大阪は道一本挟んだら暴動とかが普通に起きている地区があるそうで、
どうやらそっちのほうではないかという話。
B先輩のお友達で大阪の警察官の人がいるらしく、そっちの地区は絶対行くなと
きつく釘を刺されていたそう。
そんな危険なトコ、私は絶対行きたくないので不安を顔全面に出し、
必死に訴えていたのですが・・・。
ちょっと調べてみる!といって、ケータイで必死に検索し、
何てワードで検索かけたらヒットするのか、怪しげなサイトに入ってイキナリ
課金請求とかされないかビクビクしながら、なんとか地名を探し当てて
しまいました・・・・。
ただ、詳しい場所や行き方がわかりません。
どうしても行きたい好奇心旺盛なA先輩。
興味はあるけど、危険地区内ならさすがに行きたくない、
警察官の友人から釘を刺されてるB先輩。
危険なことは絶対したくない、そんなとこ全然興味がない私。
どうしても行きたいA先輩が大阪在住のお友達にメールで連絡。
A先輩「●●って怖いとこ?女の子3人で行っても大丈夫?」
ご友人「怖くないよ。ライトアップされててきれいだよ。」
A先輩「警察官の友人に危ないから行くなって言われてるんだけど、
本当に大丈夫?」
ご友人「その地区とは違うところだから大丈夫だよ。でも何度も
行ったり来たりしないほうがいいよ。あと写真は撮っちゃダメだよ。」
明らかにワクワクしてる先輩。
夏だから、まだそんなに暗くもなってないし・・・ってことで、なんと
行くことが決定してしまいました・・・。
てか、ライトアップされててきれいだよって、意味わかんないし!
うすら汚いさびれた商店街をひたすら歩きました。
女の人なんて殆ど通らないし、明らかに観光で来るようなところでもないし、
通るおやじ通るおやじにジロジロ見られながら、たまに変なおやじに
絡まれたりしながら、必死で早足で通過しました。
泣きそうでした。
多分5分以上歩いたと思います。とてつもなく長く感じました。
やっとの思いで通り抜けると、急にちょうちんの明かりが灯る
怪しげなエリアにつきました。
この時点で、もう私は怖くて怖くて、逃げ出したい気持ちでいっぱいでした。
本当に怖いんです。本当に。雰囲気が異様で。
長屋みたいなのがだーっと並んでいて、一軒一軒ピンクの蛍光灯とちょうちん、
赤っぽい装飾がされた部屋が見えて、そこにライトアップされた女の人が
一人座ってるんです。
で。隣りにおばさんが、客引きの為に椅子に腰かけてるんです。
レベルの違う日本一美女が集まる場所と聞いて、こんなに怖い思いして
辿り着いたからには、顔を拝むしかないと思って、心臓ばくばくになりながら
チラ見すると・・・
40をとうに超えた熟女の姿がライトアップされてきれいに・・・・
ってオイ!
混乱する3人。
隣りも見てみるけど・・見る軒見る軒、熟女しかいない!
しかもきれいでもない!!!
むしろライトが強すぎて、化粧が濃すぎて白浮きしてて怖い!
「これ妖怪通りじゃん!」と叫ぶ。
そういえばさっきサイトにそんなの書いてあった!!!!
いやいやこれで終わりなわけない。
こんな怖い思いして来たのに、こんな結末ありえない!
もうちょっと散策してみようと、先輩は熟女な結果に半ばキレ気味。
私は怖い気持ちが大きすぎて、もう熟女だけでもいーじゃん!
つーかむしろそっちのほうが貴重な体験じゃん!って感じで
とにかく帰りたくて仕方なかったのですが、結局散策するハメに・・・。
一本違う道を歩いたら、若い男の人達が溢れるように歩いてました。
観光目的な人も多いのかもしれないけれど、すごい人の数でした。
のろのろ運転でぐるぐるしてる車も多かったです。
そんなとこに女性のお客さんなんかいるわけもなくて、そりゃーもう
めちゃくちゃ見られましたとも。
なんかひどく汚された気分でした。
さっきの妖怪通りに比べると、人通りもすごく多くてここに違いないと
息巻くA先輩。
一通りチラ見してみましたけど、別に女の子は普通でした。。。
てか、考えてみたら、私たちって別に普段からそんなとこに行っている
わけではないので、どれくらいが普通かよくわからないんですよね。
私個人のイメージでは、和風の清楚系美人(「仁」の時の中谷美紀みたいな)を
想像してたのに、ど金髪の盛り髪・付け睫毛ばっちり・メイクばっちりのギャル
でした。
カワイイ子もいたと思います。でも別にフツー?。。。
息を飲む美しい人は特に見当たりませんでした。
途中、「あんたらなんなの」みたいな感じで客引きのおばさんにキレられました。
そりゃそうですよね。単なる好奇心で来てるオンナたちなんか、不愉快以外の
何者でもないですよね。
「もう限界です!!!」と先輩に訴え、A先輩もキレられたことで怖い気持ちが
一気に戻って来たらしく、一目散にその道を通過しました。
そしたら3人とも方向音痴で道に迷い・・・人気のない真っ暗な道で立ち往生。
「どこ行きたいん?」と大声で変なおやじに声をかけられ、ダッシュで逃げる3人。
もう完全にテンパる私。
駐車場付近でぼんやりしてたおっさんに道を聞こうとして先輩に止められました。。
先輩は冷静にケータイで道の検索。
大体の方向がつかめたので、再び歩き、例のさびれた商店街まで辿り着くことが
できました。
本当に怖かったです。なんで行っちゃったんだろうと後悔しました。
何もなかったから良かったけど、もう二度とあんな思いはしたくありません。
しかも、同じ女性としてやっぱりああいうところに好奇心で立ち入るのは、
マナー違反というか・・・。とても複雑な気持ちになりました。
売る人がいて、買う人がいる。
それを間近で感じてしまい、ひどく気持ちが落ち込みました。
ショックでした。
とにかく異様な光景でした。怖かった。