イチョウ  重陽の節句も過ぎ、秋本番になってきました。残暑厳しいとはいえ、何となく野山が色づいてきた気がします。特に田んぼは、もう秋の姿です。

 

鳥  こうなると、お百姓さんと、野鳥との戦いが真剣になってきます。特に田んぼは、スズメたちとの戦いです。彼らは早朝明るくなると同時に活動を始めます。早起き好きのお百姓さんとは言え、連日そこまで早いお付き合いはできません。

ムカムカ  数十羽、時には数百羽のスズメたちが、群れを成して、お百姓さんが大事に育て上げたコメを、最高のごちそうとばかりに食べてしまうのです。一見可愛いスズメたちの生活が、悔しくもあり、情けないこともあり、怒りも山ほどあります。

キラキラ  田んぼ全面に網を張るという手もありますが、これは最終手段。その前の方法として、太陽を受けキラキラ光るテープを張ります。少しねじって張りますと、少しの風でも、そのキラキラが目立ちます。光るものの苦手なスズメを、こうして脅そうとする方法です。

 

もやもや  また、釣り竿様の先端がしなる竹の先に、トビ?タカ?に似た姿を凧のようにしたものを、括り付け風を受けると、ぱっと飛び立つようにします。初めて見ると、人間だって、びくっとします。

ナイフとフォーク  不思議なことに、スズメたちは広い田んぼの中でも、一旦味わってしまった田んぼに再び訪れる習性があるみたいです。ですからこれを防ぐのは、稲が実をつけ始めた初期に、スズメよけをつけると、功を奏するみたいです。

 

上差し  ジイは比較的早くに、このスズメ除けをつけましたからでしょうか、あまり食べられていません。ところが残念なことにすぐお隣さんの田んぼは、スズメ除けをつけたとはいえ、遅かったからでしょうか、あまり効果が出ていないようです。ジイが田圃に行くと、スズメたちがワーッと飛び立ちます。その数きっと百羽の上です。

 

おじいちゃん  お百姓さんはつぶやきました。分な仕事になるけれど、野鳥なんかに負けてはいられないよねえ。最後の仕上げで負けるなんか、野鳥たちのチームに逆転満塁ホームランを打たれたようなもんだからねえ。こっちだって、その前に温存していたピッチャーを出して、三振を取るさあ。それにしても、こっちは一人、相手は数百羽との対戦だものねえ。多少なりとも苦しいさあ。

おじいちゃん  スズメ除けに限らず、何でもそうだと思うけど、対策取るにはそのチャンスあるんだよねえ。そのチャンスをしっかり見極めるのが、プロなのかもしれないねえ。作物づくりには、そのチャンスをしっかりとらえて、生かすことかなあ。人間だって同じだよねえ、「叱るチャンス」「ほめるチャンス」「学ぶチャンス」「体力をつけるチャンス」等々・・・・・・・・。そのチャンスが生かされたときは、効果は計り知れないものがあることを、知っておきたよねえ。