「私は、笑顔を入れる箱なんです。」

 

 

というわけで、映画「この世界の片隅に」、傑作でした!

 

今年11月12日から公開された長編アニメ作品なのですが、上演映画館も少なくてあんまり注目されてなくて、見逃しそうになっていたところ……
ツィッターなどでの評判がやたらと良く、ほとんど事前情報無しで観てみました。

 

観てよかった。

 

心にじわじわと染みてきて、後から泣けてくるような……深い作品です。

 

先週の日曜日に、テアトル新宿で観て、今日またひたちなか市の映画館で観てきましたがー、
結末がわかっているだけに、1回目より2回目の方が心を揺らされました。
是非、2回見るコトをオススメします!

 

 

 

内容は、
昭和8年から始まる、絵を描くコトが好きなごく普通の少女「すず」さんの、戦後に至るまでの日常を描いた映画。
広島市と、呉市が主な舞台となります。

 

戦争中の、苦しく大変な日々が繰り返されます。

 

しかしながら、単純な「反戦映画」ではありません。
何気ない日常の繰り返しが、とても丁寧に、美しく描かれています。
不器用で不格好なすずさんですが、どんどん美しく見えてきます。不思議。

本当の「純愛」が描かれている映画です。
それも単なる女と男の間の「純愛」だけではなくて、
この世界、および人間に対する「純愛」です。

 

笑える箇所もいくつかありながら……

 

しかし、だんだんとあの日、広島に原爆投下された昭和20年8月6日に近づいていく……ドキドキします。
すずさんは、その日の近くになって広島と呉とどっちに住むか、決めかねたりしていますので……

 

そして最後は、じわじわと心に残って、泣けます。


戦時中の日本は、ファンタジー。
ご飯一食作るのだって、大変な時間をかけて苦労したりします。
しかし、当時の人々にとっては、それが当たり前の毎日。疑問など感じずにひたすら実直に、毎日を繰り返していきます。

戦争中だという感覚に現実味がなく、突然爆撃機が襲ってくる日常。
それさえも慣れてしまうというのが、人間の強さなのかもしれませんね。

 

深く心に刻まれる映画でした。

 

涙。

 

観終わった後は、この映画のポスターを見るだけでも、ちょっと泣きそうになりました。

 

 

 

私達日本人は、もう一度あの戦争について、タブー無しで考え直して、一人一人結論を出す必要があると思います。
あの戦争とはなんだったのか、必要だったのか必要じゃなかったのか、避けられなかったのか。
単純な「反戦」だけで思考停止してはダメです。

 

そして私も、一日一日を大切にして生きたいと思わされました。

 

原作も、きちんと読んでみようと思います。

語られないのでしょうが、すずさんのその後も知りたいですね。

 

 

 

そしてこの映画は、日本ではほぼ初めてとなる、クラウドファンディングで資金を集めて制作された映画、
というコトでも価値があります。
この作り方なら、制作委員会方式のしがらみとかで、作品が変な方向に行ったりせずに制作できるという未来が見えてきました。
「南極点のピアピア動画」とか、クラウドファンディングで映画化できないかなあ……w

 

クラウドファンディングが募集されていたこと、私は全然知らなかったのですが、私も参加して、スタッフロールで名前が流れたら……
それこそ一生モノの最高の体験だったと思います。

 

 


というわけでというわけで、「この世界の片隅に」、いろいろと後に残る傑作でした!
2回観るコトをオススメします。これからさらに上映映画館も増えるそうですしね。

 

へそ天!