では、前記事の続きです。

連続ついのべシリーズ、
「皿田クルミ博士」!



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・13・
「紹介しよう。夢名魔子くんだ」「はじめまして。マコです」博士は私に金髪の美少女を紹介した。「魔子くんは楽園高校の一年生なんだが、とても優秀でね。特待生として研究室に入ってもらった」「アナタが、綱馬さん?なるほど、実験台には最適の素材ね」魔子の目がギラリと光った。 #twnovel


・14・
「この前、楽園高校に特別授業に行った時に、魔子くんを見つけてね。彼女は超絶に優秀だ」皿田博士が認めるくらいなら、それは超絶な才能があるのだろう。「そうなんですか。超絶に優秀とはどういう面で優秀なんです?」「…超絶に変態なんだ!」魔子は僕を見て、ニヤリと笑った…。 #twnovel



・15・
夢名魔子。楽園高校一年生。金髪、金色の眼の美少女。日本人とロシア人のハーフ。皿田博士にその才能を見出され、皿田研究室に特待生扱いで入った。亜空間力学、精神物理学、調香数学に優れた才能を発揮するが、超絶的に性格が悪く、超絶的にド変態だ。 #twnovel


・16・
魔子と研究室で二人。魔子から漂ってくる香りは、ものすごく良い。「…魔子くん、香水でもつけてるの?」僕は聞いてみた。「ふふふ。コレは媚薬…試してみる?」魔子が僕に体を近づけてくる。「ま、待って!キミは何を考えて?」「あ~ら、ただの実験よ?怖がるコトないじゃない」 #twnovel


・17・
「何をしてる!?」突然、研究室に皿田博士が入ってきた。魔子に近づかれていた僕は、慌てて飛び退く。「なるほど、コレが嫉妬…」鬼のような形相で博士は言う。「ど、どういうコトです?」「私は嫉妬というモノを感じたコトが無かったからね。魔子くんにキミを誘惑してもらった」 #twnovel


・18・
「博士も嫉妬心を感じるなんて…ちょっと意外」魔子は不思議そうに僕の顔を見て言う。「こんな平凡な人の、どこがいいの?」「…確かに、平凡で普通だな」博士は私を見下すように言う。「一般的なオトコのサンプルとして、最適なんだ」「…なるほど、確かに」…僕、帰っていいすか? #twnovel



・19・
「私を実験台にして下さい!」魔子は博士に言った。「博士の為なら、私、何だってします!」「この実験は危険だぞ…大丈夫か?」博士は冷静に訊く。「大丈夫です!博士の役に立ちたいんです!」…未完成のタイムマシンの実験。しかし、実験は失敗した。魔子は、帰らぬ人となった…。 #twnovel



・20・
「どうするんですか博士!?魔子くん、帰らぬ人になっちゃいましたよ!」「…すまない。実験は失敗だ」「僕に謝られても…。本当にどうするんですか!?」「大丈夫だ。こんなコトもあろうかと…魔子くんの完璧なクローンを作ってある。何も問題ない」「…問題ない、かなあ…?」 #twnovel


・21・
「魔子くんを飛ばしたのは未来だ。私達が生きていれば、いつかきっと会える日がくるだろう」博士は冷静に言った。「未来のある時点で、今の魔子くんと会える、と?」「そうだ。それに、魔子くんも天才だ。未来でタイムマシンを作って、戻ってくるかもしれない」「ややこしいですね」 #twnovel




・22・
突然、目の前の空間が歪み、何か落ちてきた!「ぎゃ!」僕はその下敷きになってしまった。「博士!」それは金髪に金色の瞳の美女…!「もしかして、魔子くん!?」「はい!未来から無事に戻りました!未来で3年間、費やしちゃったけど…」「良かった…!」博士は少し涙ぐんでいた。 #twnovel


・23・
「未来の技術と理論を使えば、完璧なタイムマシンを完成させられるんです!そこまで考えて、博士は私を未来へ送ったんですね!?」魔子は博士に抱きつく。「…いや違う。賭けだったんだ。すまないコトをした」博士は冷静に答えた。「未来で、ものすごい体験ができました!感謝です」 #twnovel


・24・
魔子は3年間の未来体験で、ぐっとオトナっぽくなった。僕がドキドキするくらいに…!「あら、綱馬さんは、全然変わらないね。博士、綱馬さんも未来へ送ってみたら?」「それはいいアイデアだ…!まあ、綱馬くんの能力じゃ、戻ってこれるかわからないけどな!w」…勘弁して下さい。 #twnovel




・25・
「人間はすぐに飽きてしまう」博士は言った。「楽しいコトばかりやっていたとしても…やがてその楽しいコトにも飽きてしまう。苦しいコトも必要なんだ。じゃないと成長できない」「なるほど」「…というわけで、私の論文の代筆を頼むよ。明日までにね。任せた」「そんな…ひどい!」 #twnovel


・26・
「明日までに!?無理ですよ」僕は断った。しかし美しい笑顔で博士は答える。「大丈夫、苦しみだけじゃなくて喜びもあげるよ」「何ですか?」「終わったら、ご褒美をたくさんあげるから…」舌なめずりする博士。「…頑張らさせていただきます!」 #twnovel


・27・
「オトコとオンナでは脳の構造が違うんだ」博士は言った。「だから、完全に分かり合うコトなど、無理なのかもしれない」博士はじっと、僕を見つめる。「…そして、だからこそ、オンナとオトコは永遠に求め合い続けるのかもしれないね」博士と僕はベッドの上。激しく求め合った後。 #twnovel




・28・
博士の作り出した「αリセッター」という装置は、超絶な効果を持つ。この世の全ての元素の状態を記憶して、いつでもその記憶した一定の時点に世界を戻すコトができる。…つまり、一回記憶した時点にいつでも戻るコトができる。何回でもやり直せるんだ!僕は博士の天才さに驚愕した。 #twnovel


・29・
「すまない。この実験は失敗だった」博士は素直に頭を下げた。「なぜ?もうこの装置は完成されているじゃないですか」僕は言った。「しかし、無理なんだ!この装置を使ったところで、私はこの世界を救えない!」博士は顔を伏せたまま言う。「何回も何回も挑戦したが、ダメだった…」 #twnovel


・30・
「この世界を作り直しては、αリセッターで元に戻し、作っては戻し…というコトを何万回も繰り返したんだ」博士は告白する。「何度も何度も、ひどい目にあったよ。そしてなんとか世界のバランスをあと一歩で保てるか、という所までいったんだが…、私にはできなかった!難しすぎた」 #twnovel

・31.5・
「そんなコトは望むべくもないコトですよ」僕は博士に言った。「博士は完璧を求めすぎるんです。僕は、この世界は完璧じゃなくていいと思う」博士は顔を上げ、僕を見る。「少しずつ良くなればいい。僕達はそのチカラを持ってる」博士は言う。「そうだったな。ゆっくりやっていこう」 #twnovel




・32・
「幸せを求めてない人間は、幸せになれない」博士は言う。「そして、幸せは人によって違う。バイクに乗っている時が幸せという人もいれば、作曲している時が幸せという人もいるし、年齢によっても、何が幸せか、が変わる。本当にこの世は複雑だね。でも、それがいいのかもしれない」 #twnovel


・33・
「博士は、何をしている時がイチバンを幸せなんですか?」僕は訊いてみた。「…それが、困ったコトに…」「困ったコトに?」「キミをいじめている時がイチバン幸せなんだ!」素晴らしい笑顔で博士は言った。「…だから、私のそばを離れないでくれ」喜んでいいのか悲しんでいいのか… #twnovel




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というわけで、一部重複した部分もありましたが……
まだまだ続きます。

新キャラクター、夢名魔子を出してみましたが、いきなり3歳成長してしまいましたw

ここまで、82ついのべ!
100ついのべまでもうちょい……。

行けるところまで、いってみます!
(^-^)



へそ天!
ゆないキズトでした~!