母につきそい病院へ
通い慣れたいつもの道を
車はゆっくりと走っていく
少しずつしか食べられない身体になって
母はだんだんとやせていった
胸の上には骨が浮きでていて
なんとも痛々しい
どこの先生もカロリーを摂るようにと
同じような話をする
母には食べることが苦痛になっている
私はもう無理しなくていいよと
言ってあげたい
もう充分がんばっているよ
これ以上なにも望まないと
伝えてあげたい
それだけど
父も娘もなんとか食べてもらおうと
必死で食べ物を用意する
私はどちらも愛情だと思う
私はガンの手術を受けた病院の先生に
食べることを強要しない様にと
言われているのです
愛情の暴走をとめる役割を
仰せつかっています
往診にきてくださった先生からも
とにかくカロリーを摂るようにと
言われてツラいのです
お寿司を食べたいと母に言われて
たくさん買ってくる父
柔らかいお肉を食べたいと言われて
通販でお肉を頼む娘
どちらも愛情たっぷり
母に長生きしてほしくて
がんばっています
一番がんばっている母に
賞状をあげます
よくがんばっていますね
そんな身体になってもなお
食べて家事をぼちぼちやっている
私は母に生き方を教わっています
何があっても生きようとする姿に
どれだけ励まされたことか
生まれ変わったらば
今度は母のお母さんになって
たくさんハグしてあげたい