🖋300字小説🖋


【リョガ種】約束。

あの頃、リョーガと交わした約束。

3年後にまた会いに来るという言葉。

律儀にそれを信じていた。

だから誰にも恋をしなかった。

(アホやと思うけど好きやからしゃーないなぁ)

1度も連絡のない彼の言葉を信じ続ける方が間違っているのかもしれない。

それでも、縋ってしまうのだ。

(今もまだ俺はあの頃と変わらず大好きやから)

リョーガのことを考えながら外出する。

だから最初は妄想だと思った。

目の前で笑っているのは幻影なのだと。

「な?ちゃんと約束守っただろ?」

声を聞いて、現実だと理解する。

「……アホ」

抱き着いたら涙腺崩壊してしまって。

「悪ぃ。待っててくれてありがとな」

「おかえり、リョーガ」