山梨県は甲斐市の手打ちうどん屋を紹介する。

 

※利用時(3月上旬)には、営業時間の変更や休業の予定はないとのことじゃったが、今はどうなったかわからんですじゃ。利用前に電話で問い合わせると良いと思いますじゃ。

 

アルプス通りという道路がある。自動車や大型トラクターがドコドコと行き交う、大きな道路には不似合いな一軒家。趣がありすぎる。

それが件の手打ちうどん屋、

 

麦秋庵

ばくしゅうあん

 

だ。

 

 

「この店の蕎麦がうまい」と知人に騙されて利用したのだが、ここはうどん屋だ。蕎麦のメニューなどないから気をつけてくれ。

 

平日12時半頃に訪問すると、席の半数以上が埋まっていた。

ちなみに、利用したのは緊急事態宣言が全国的にしかれる前のことだ。

席は1階と2階があり、1階はやや混み始めた様子で、我々は2階へ案内された。

内装も和風建築で趣がある。

大通り沿いであるにも拘らず騒音は聞こえず、横長の窓からはのんびりとした田舎風景が望める。ゆったりとした雰囲気が漂っていて、良いではないか。

 

 

うどんの品書きは、だいたいが 880円 (税込) ほど。昨今の外食価格を考えると千円未満でうどんがいただけるというのは良心的だと思うのだが、人によっては高いと言うから表現に困る。「ワタシは」良心的価格だと思ったよ、と、こう言えばいいのか。

 

品書きにクリーム系があると悩む。だっておいしいから。でもカロリーが気になってしまうから。外食時くらいそんなことを気にせず食べたいところだが、品書きを眺めて一度カロリーのことを考えてしまうと、もうどうしようもない。

食べたい、でもカロリー。

この逡巡によって注文までに果てのない時間がかかってしまう。

ちなみに、この店の品書きに見つけたクリーム系は「明太クリーム」だ。どうだ、食べたいだろう。なんと言ったって、明太子とクリームなのだ。この訴求力に打ち勝つのはかなり意思力を有する。

そして、ワタシはその意思力を有していたと、胸を張って言おう。

 

注文したのは、豚しゃぶと高菜のおうどん ¥880 (税込) だ。

 

 

どうだ。このうどんもうまそうだろう。なんと言ったって豚しゃぶと高菜なのだ。うまいに決まっている。

 

注文から茹で上げるから提供までに時間がかかる云々と注意書きがあったが、思うほどに待つことはなかった。おそらく、ファストフード店的素早さでは提供できぬから悪しからず、と、そういう意味なのだろう。うまいものをいただくのに、そんなに急いではいかんよ。

 

澄みきった黄金色のスープにとぐろを巻く白いうどん。それを隠すかのように一列に並べられた豚肉の切り身。

「豚しゃぶ」と書かれていたから薄切りの肉を想像していたら、予想に反して厚切りの肉が出てきたから驚いた。桜色の肉身が美しい。そしてこの肉、柔らかく、微かに甘く、うまい。高菜の辛しょっぱさとよく合っていた。

肉の上にこんもりと盛られたこの高菜がまた、なんともおいしいのだ。豚肉で高菜をロールアップして食べてみてくれ。うどんを食べにきたのか、高菜を食べにきたのか、わからなくなる。危険だ。どうしたらいい。

ワタシはこの高菜が気に入ってしまったよ…。

 

それから、卓上調味料の七味だ。食事の後半で使用してみてくれ。グレードアップする、とはまさにこのことか、と驚くだろう。

とにかく、各素材がそれぞれに美味なのだ。盛り付けだけでなく、味まで美しいこの一杯のうどんよ。

 

特に、出汁である。

かつおだろうか、日本人の舌に慣れ親しんだあの、和食系魚介出汁がじわ~っと舌に染み込んでいくのだ。香ばしさの残る後味で、うまい。

 

 

うどんは、温かいものをたのんだからか、コシよりも、モチっとした弾力が際立っていた。太すぎず、細すぎず、すすりがいのある麺だ。

満腹感を得られるちょうど良い量でもあった。

 

夏にはこの店の冷たいうどんを食べてみたい。

 

ごちそうさまでした。

 

 

まとめ

・メニューにクリーム系があると悩む。

・高菜がムーチョおいしかった。

・七味も試してみてほしい。

 

 

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麦秋庵 食べログページ

https://tabelog.com/yamanashi/A1901/A190101/19007846/

店前に、車3台分停められるくらいの駐車スペースあり。

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文責:雨吉