というわけで、わたしにとってもすぐそこが「一枚目の上がり」なのですが、その前につつじの木々の植えこみが、わたしの行く手を阻むように立ちはだかっています。
この植えこみには切れ目や隙間がなく、とぎれなく築かれた長い長い壁なのです。
この壁は、でも、虫やちいさな動物は通してくれるやさしい壁です。
そして、わたしのようなおおきな動物は一見、通ることはできませんが、まだ背が低く若いつつじたちは、謙虚にわたしを助けてくれました。
というわけで、わたしはつつじの硬い腕をつかみ、斜面から落ちないように支えてもらいながら、彼らをまたぎ、ついに斜面の上の細道に立ったのです。
その細道は、斜面とその上の斜面の間に、まるで帯のように、しかも水平に通してありました。
この帯の道をずっと東へ進んでいくと、やがて、わたしたちがいつも登るアスファルト道路の途中に出るのです。
それともこのまま斜面を二枚目、三枚目と上がり、老人ホームのひっそりしずまりかえった裏庭に出ることもできるのでした。
どちらにしても、ピピはいつもわたしにつきあいます。
「ほいほい!!ほいほい!!ほいほいっ!!」
やる気まんまんでついてくるのです。
そう、わたしたちは「星空の盗賊コンビ!!」なのです。