犬の声についての犬の考え | 4コマ漫画「アメリカは今日もアレだった」

4コマ漫画「アメリカは今日もアレだった」

アメリカ暮らし漫画と昔の日本での愛犬物語です。

 

 さて、わたしは最近、「ピピのかんがえ」をひとつ、発見しましたよ。
それは、「犬の声」についての考え方です。

犬の声といえば、もう十年以上も前、わたしが高校生の頃に、うちには三四郎という名前のいぬがいました。
その三四郎に、わたしは時々、犬の鳴きまねをしてみせました。
そして三四郎は、それがわたしの声だとわかったのです。
うん、あたりまえ。ですよね?
 
でも、ピピは・・・

わたしが
「うおん!!」

 

 と、吠えます。
(三四郎のおかげで、わたしは犬声がじょうずなのです)
ピピは、さっと頭をあげ、わたしを無視して
きょろきょろ きょろきょろ!!
あたりを見まわします。

「ピピ? 今のわたしよ?」
 面食らったわたしは、ついピピに説明してしまいます。
でもピピは、存在しない「いぬ」を、不思議そうに探してまわるのです。
それは、わたしがピピのすぐ近くで吠えても、面とむかって鳴いてみせても、やっぱり探すのでした。

 

「・・・・・・・・」

 

 そこで、わたしはまず、ピピの顔の前で
「わ、ん。」
 と、あいうえおを発音するように言ってみました。

ピピは、それはわたしが言っているのだと、当然ですがちゃんとわかっているようです。
つづいて
「ワン」 
 なめらかに言います。
それから
「ウワン!!」
 ピピは、「はっ!!」とよそ見をします。

 

「ウォンッ!!」
 ピピは、目の前にいるわたしが邪魔だといわんばかりに、きょっきょと首を伸ばし、わたしの向こうにいるはずの「いぬ」を探すのです・・・