「本件各請負契約締結当時、原告の言動には、認知症をうかがわせる事情はなかった。」
と、リフォーム業者KのB弁護士は準備書面に書いています。
こんなにアッサリカンタンに言い捨てるって、これはきっと
認知症といえば幻視とか幻聴とか徘徊とか、いかにも奇怪な行動をとる狂人世界だと思い込んでるんだろうなー。
KもB弁護士も、そういう単純無知な人なんだなー。
と、善意に解釈することにして。
けど、認知症患者を実際に知らない人々のイメージって、ちょっとそんなかんじかも?
以下は、林哲郎法律事務所HPの「一般民事関係 事例5 アルツハイマー病患者と意思能力の欠如 」ページから引用したものです。
・NHK総合テレビ ニュース(平成20年1月19日土曜 午後5時36分放送)より
もの忘れなどの症状が現れてから初めて訪れた医療機関で認知症と診断されたかどうか尋ねたところ、全体の34%にあたる77人が「診断されなかった」と答え、3人に1人が認知症を見過ごされていることがわかりました。このうち、22%は医師に「年相応で病気ではない」と言われ、うつ病など別の病気と診断された人が17%、「異状なし」と診断された人も9%いました。 また、認知症と診断されるまでに、3か所の医療機関を訪れた人が26%、4か所以上回った人も15%いました。
認知症の患者は全国におよそ170万人いると推計されていますが、専門医が少なく、一般の医師も認知症を十分理解していないため、診断や治療が遅れ、病状の悪化を招いていると指摘されています。
・精神医学の側面から見ると、臨床精神医学講座S6「アルツハイマー病」 責任編集 三好功峰〈兵庫能研所長〉、小坂憲司〈横浜市大教授〉、中山書店)80頁に「思考・判断の障害としては、物事を計画したり、組織だて物を考えたり、抽象的な思考をしたりすることができなくなり、初期から、日常生活において家計を管理したり、使い慣れた器具が使えなくなったり、人前で適切な態度がとれないなどのことが目立つ。」と記載があります。
(引用終わり)
たとえ医師さえ見過ごしても、
金銭管理のできない彼らの
真実は認知症なのです。