自助論 
 
サミュエル・スマイルズ著 竹内均 訳
 
(三笠書房 知的生きかた文庫)
240ページより引用
 
立派な行動や言葉は、それが結局は実を結ばないものであっても、
いつまでも人の心に生きつづける。悪しき行動や言葉の場合も同じだ。
まったく取るに足らない人間でさえ、
その言動はよい手本と悪い手本とのいずれかに分類される。
 
人間の精神は不滅である。
それは、われわれと共にいき、われわれと共に歩みつづける。
(中略)
人間の生命は決して死に絶えない。
この世に一人きりで生きている人間などいない。
社会の中では、人は必ず互いに持ちつ持たれつの関係にあり、
各人の行動の善し悪しが、
現在はおろか将来の社会全体の幸福や繁栄を左右していく。
現在は、その根を過去の中に持ち、
祖先の生活と手本はわれわれにいまなお大きな影響を及ぼす。
同時に、われわれの日々の行動も子孫の人格形成に貢献している。
現代に生きる人間は、
それに先立つ幾世代の文化によって育てられた果実に他ならず
はるか遠い過去とずっと先の未来とを行動と手本によって結びつける
磁石の役割をになっている。
 
人間の行動は、完全に滅びたりはしない。
たとえ肉体は露のごとく消え去っても、
善悪の行動はそれぞれに相応の実を結び、
将来の世代に感化を与えていくだろう。
人間が生きていくことの大きな責任と危険とは、
まさにこの重大かつ厳粛な事実から生じるのである
(引用おわり)
 
 
                  
 
 
 

 


 
 
人生とは貴重なものです。
生きていることがどれほど尊いことか。
先祖と両親の存在なくして自分の命は存在しなかった。
先祖と両親から
多くを、いや肉体と精神のすべてを受け継いでいる。
感謝です。
そして自分にも次世代に受け継がれる生き様がある。
できるだけ善きものを残したい。
誰しも私的な人生ではない、公的な人生ですね。
行動を通じて次世代に貢献できる。
心して生きていきたいものです。