社交ダンスのリード＆フォローを
強化するのに一番いいと
個人的に思っているのがアルゼンチンタンゴ。
男女の密着度が高く
女性はたかーいヒールで
寄りかかるように体重を預け
バンドネオンの演奏に合わせて踊るあれです。
社交ダンスを始めたばかりだと
９０％ぐらいの女性が
リードを待てない。
３～４年やっている人でも
ちゃんとリードを待てる人って
半分もいない気がします。
（リードもするので、
そういう実感があります）
自分の動きを他人任せにするというのは
自分の意志で動くのが当たり前の
現代の私たちにとって結構むずかしい。
待てない理由としてもうひとつ多いのは
相手を助けようと思って
よかれと思って
手伝うつもりで
早く動いてしまうというものです。
あのステップやろうとしてるのね！
と思ったら
実際のリードが入る前に
はいはい、了解ですよ、お手間をとらせませんよ
ってな感じで動いてしまう。
先回りして気配りのできる性格が
あだとなっちゃうのです。
リードをする立場からすると
動き出しのタイミングだけでなく
行きたい方向、動きの大きさも
勝手に決めて先に動かれるので
むしろ迷惑なんですよね、あれ
混んでいる方を避けようと思って
小さい一歩にしようとか
ちょっと曲がりながら行こうと思っても
後ろが見えないくせに
好き勝手な方向と歩幅で
リードする前に進んだり下がったりし
案の定そこにいた人にぶつかって
挙句の果てに
「なんでそっちにリードするのよ」
という無言の圧をかけられてもね
そっち行ったのあなたですよ
って思うわけです。
アルゼンチンタンゴは
待つダンスと言っていいと思います。
お互い待ちあう。
相手の間合いを感じあう。
それをじー－っくり楽しむダンス。
アルゼンチンタンゴを
一人の先生だけに習っていた時は
その先生とは踊れるけれど
他の先生とはうまく踊れませんでした。
それって慣れている先生の
間合いはわかっているから
フォローしているようでやっぱり
待ってはいなかったんだと思います。
アルゼンチンでは街角で
路上で、屋外の広場で
知らない同士がタンゴを踊ってしまう。
だから間合いを読めないと踊れない
そういうダンスです。
間合いを読むには
相手がなにかするまで待たないといけない。
ですよね
そして
もうひとつ。
アルゼンチンタンゴは
リードが分からなかったら止まって待っていられる
というフォローには嬉しい特徴もあります。
ちゃんとリードを出せば
私はちゃんと踊って見せるわよ
さあ、わたしを美しく躍らせなさい
ぐらいなマインドで
あいまいなリードは反応せず
じっとまってていいのです。
実際、アルゼンチン人の先生と
踊ってもらったときは
足を出すタイミングも方向も
体重をどちらの足に置いているかも
考えずにできてしまいました。
それぐらいリードがクリア
かつ無理がない
アルゼンチンタンゴが上手になりたいと思って
５人の先生のレッスンを受けて
デモで５人と踊りました。
タンゴはちょっとやそっとで
足さばきや体重のかけ方
ホールドなど上手にはなりませんでしたが
この「待つ」というトレーニングとしては
社交ダンスにとても有効でした。
間合いやリードの動きは
５人５様。
待ってキャッチするしか
フォローできないんですもの
おかげでリードを信頼する
さらにもっと大事なのは
自分を信頼する、という感覚ができました。
自分を信頼できてないと
待てないのです。
リードをキャッチできなかったらどうしよう
間違えてキャッチしたらいけない、
相手に迷惑かかる！
そのマインドを手放すことができました。
どう動かしたいのか
しっかり伝えてね
私はここで待ってあげる
こういうモードで
相手の前に立っていられるようになりました。
先に動くと
フォローもできないし
リードもできないのです。
ちゃんとリードさせてあげる。
それがいい女
いいフォロワーの第一条件なんだと思います。