社交ダンスのプロの世界は
一度チャンピオンになると
その人が引退するまでずっと
王座に就き続けることが多いです。
ラテンのリカルド&ユリアは10年
その地位にいて引退。
スタンダードも長らく
アルナス&カトゥーシャがトップだった。
(私はめりはりのはっきりした
ヴィクター・ファンのダンスが好きだったけれど)
ところが
2021年のスムースの世界で
それがひっくり返ったのでそりゃもう大騒ぎ。
2020年はコロナでほとんどの競技会が
なかった。
12月にアメリカでサウスオープンがあり、
そこでは絶対王者の
ニック&ヴィクトリアが順当に優勝。
ところが!
2021年のミレニアム・ダンススポーツ・チャンピオンシップで
なんとコロナ前は3位が定位置だった
ローマン&ガリーナがニック&ヴィクトリアを抑え
優勝してしまった!!!
ミレニアム2021のスムースの動画
ニックたちは思いもよらなかったに違いない。
だって表彰式で最後の2組になって
2位のコールのときに
ニックは余裕で靴の裏のストーンをとっていたんだもの。
最後にのこる気まんまん(たぶん)
ところが呼ばれてしまったのだ、2位に!
残ったローマンはガリーナを抱き上げ
メダルを受け取りに行く
そのときの様子がこれ
そして、そして
一度チャンピオンになると
次の試合もその次の試合も
ローマン&ガリーナが今度は
1位をとりつづける。
2021年も、そして2022年になっても。
こういうのってどういう裏側なのだろうと
思ってしまう。
完全に実力なんだろうかと。
ニックたちのレベルが落ちたようにも見えない。
あいかわらず、流れるように美しく
まるでヴィクトリアは羽のよう。
ガリーナたちは2018年に
ペアを組みだした時よりは
コンビネーションもよくなったし
ガリーナの動きがシャープになった。
ガリーナは前のパートナーの
ミケルとのときより
ずっとのびやかでダイナミック。
だからなの?
でも、私のコーチは
政治もあるんだよ、という。
どのスタジオ出身とか
誰の弟子かとか。
きっとそうなんだろう。
ただ、この1年をずっと王者として
君臨してくると
放つ光も強くなっていくものなんだなと
ローマン&ガリーナを見ていると思う。
フロアに立った時の存在感は
もはやニックたちをしのいで
どうしても目が行ってしまう。
今は押しも押されぬ王者の風格だ。
とはいえたぶん
ニック&ビクトリアも
このままで終わるものかと思っているにちがいない。
いつもお調子者のニックを
「まったくもう」という目で見ているヴィクトリアの闘志が
めらめら見える。
もう一度彼らがひっくり返したら
スムース界はもっと面白いことになる!