最近ちょこちょことTVドラマも見ています。
TBSドラマの『不適切にもほどがある』は最高でしたね。
で、今はこのTVドラマが楽しみで見ています。
舞台が1990年代の渋谷ですから、そりゃ気になりますよね。
■1995年の渋谷が舞台
懐かしい・・・と言っても1995年の渋谷を知っている訳ではありません(汗)。
私が渋谷へ最後に通い詰めていた時期が1999年からの数年間でしたから、何となくあの頃の渋谷の空気感は知っています。その雰囲気を、このTVドラマを観ているとリアルに思い出します。あーこんな感じだったわー、みたいに。
主人公は名門高校に通う成績優秀な気弱な男子学生。その男子学生が渋谷を根城にしているチーマー(?)の誘いを受け、仲間になって一躍渋谷の有名人になる・・・というサクセス・ストーリーなのかな?。何しろ原作は読んでないし、ドラマもまだ途中の4話なので今はまだ先が読めません。意味深なシーンが色々あるので、これから先何かどんでん返しもありそうな予感はあります。
チ-マーって言葉も懐かしいですけど女子高生は全員ルーズソックスだし、メイクやファッション、髪型に至るまで時代考証は念入りに行い演出はされているようです。画質や発色も90年代っぽい雰囲気があるので、知らない人に90年代のドラマだと言って見せれば信用しちゃうような気もします。それくらいいい感じです。
90年代の地下鉄サリン事件や阪神淡路大地震の映像、当時の渋谷の街並みの実写映像なんかも所々挿入されるので、そういう意味でもリアル感があります。90年代のセンター街の映像とか懐かしさ以外ないですから。できればオープン当初のタワレコ渋谷店とか旧HMV渋谷店なんかの映像が出てくればいいのになぁ・・・と毎回思っていますが、今のところ願いはかなっていません。
そういう意味でも毎回色々楽しみして見ているドラマです。
■音楽も90年代JPOPが沢山流れます
このドラマの1話のオープニングが凄かったんです。深夜のどこかのビルの屋上で女性が『愛し愛されて生きるのさ』を鼻歌で歌っているシーンからスタートするという念の入れよう。この女性やビルの屋上にも色々と意味がありそうなことが4話迄見ると分かってくるので、そこがまた意味深で先の展開が気になる所です。
もちろん劇中でも『愛し愛されて生きるのさ』が流れるしTKとかダウンタウン浜ちゃんの曲とかも流れます。音楽の使い方も効果的でうまいですし、なによりドラマの雰囲気を盛り上げる事にとても役に立っています。
1話の最初から、雑誌記者にインタビューを受ける形式で話が進むのも面白いです。現代の主人公が雑誌記者にインタビューを受ける形式で過去を思い起こしながらストーリーは進みます。
そのインタビューも「これまで30年間の音楽シーンについて」というもので、如何に渋谷という街が当時の音楽文化と切っても切れない街だったか?という前提で話が進むのも面白い点です。
1話の開始早々に「90年代半ばの渋谷は国内の音楽シーンを語る上で絶対にはずせない街」みたいな事をインタビュアーが言い、そこで「渋谷系」という名前まで出ますから。音楽好きにはこの先色々と期待できそうに思えても仕方ないですよね。
90年代の渋谷と言えばレコ屋です。当時のレコ屋の映像が流れればいいなー、と割と本気で願っていたりしています。
■コンプラ無視の演出が90年代をリアルに感じる
登場人物の役柄は高校生ですがタバコ吸いまくりです(笑)。
お酒も飲むし暴力的なシーンも出てきます。暴力シーンもおざなりではなく、しっかりと撮っている印象で最近のTVドラマからすればかなり過激に思えます。結構なチャレンジャーではないでしょうか?
4話までは暴力シーンもそこまで多くなかったですが、これからは増えそうな雰囲気です。気弱だった男子高校生がチームに入り、雑誌『ストリートフリッパー』に掲載されてからどんどん渋谷で有名になり、人生が変わって(転落?)いくようなニュアンス?でしょうか?
この辺りのリアルな演出は是非続けてほしい、と思います。ひょっとしたら抗議電話とかで変更になってしまうかもしれない・・・というのが唯一の不安材料です。そこ変えちゃうと90年代じゃなくなるしリアリティが一気に無くなりそうですから。
役者のキャスティングも凄く良くて90年代っぽい、というかとても合っています。
主人公の気弱さも良い感じだしショウ役の彼も凄く良いです。なんか全てがピッタリハマっている感じがあって、それがコンプラ無視の演出とも相まってとてもリアルに感じるのかも知れません。
後半で拳銃を持ってるシーンがあるみたいだし、他にも色々とバイオレンス要素満載な展開が期待できそうです。あ、これは別にバイオレンスシーンが好き!という訳ではなく先の展開が分からずワクワクする・・・という意味ですので勘違いされないように。
主人公とヒロイン(松本ほのか)のロマンス的な進展も気になります。それが現代の謎のキーポイントだったりしそうですし、色々な意味で本当に気になります。
■監督が『城定秀夫』監督でびっくりした
今、日本映画監督の中で大好きな監督の一人が『城定秀夫』監督です。最初は日本映画『ビリーバーズ』で名前を知ったのですが、以降色々と作品を見てファンになってしまいました。
2010年代は低予算のピンク映画を撮っていて、それが凄く面白かったんです。ピンク映画ですから性描写多めですが、そういうところ抜きにして映画として面白いんですね。先入観ってダメですよね。ネットの無料試聴で『城定秀夫』監督のピンク映画がラインナップされていたので何となく見たら傑作映画だったという。まじで驚きました。
それ以来『城定秀夫』監督作品のピンク映画を探してみる様になったんですけど、一番評判の良かった『韓国に嫁いだ女』が全然見れなくて、ネットで安価に販売されていたのでえいっ!と購入して観てみたら、この作品が超傑作だったという。それ以来、日本映画で10本上げろと言われれば私は必ず『韓国に嫁いだ女』をあげるようにしています。
主演の女性はAV女優が演じているのですが韓国語ペラペラでまず驚いて、そして演技の良さに驚きました。脚本も凄く練られていて完璧ではないか?と思っています。ピンク映画だけどコメディー映画だし夫婦愛の物語っていう。映画を観てこれほど愛を感じた事はありません。夫婦の愛もそうだし自分の住む村に対する愛もそうだし映画に対する愛も、です。愛に満ち溢れている映画なんです。
全ての根源が愛情であって、その愛を表現するための単なるツールとしての性描写を使っているに過ぎないというのが本当に凄いと思います。ヒロイン以外は一部違いますけど(笑)。そちらはコメディー要素強めですね。
とにかくこの作品を観て私は『城定秀夫』監督にゾッコンになった訳です。その『城定秀夫』監督がこのTVドラマの監督なのですから、そりゃ気にならない訳はないという。そういう感じなのです。
■
TBSドラマの『不適切にもほどがある』に賛否あるなんてネットで書かれていましたけど、否なんて本当にあったんでしょうか?。そんなこと言う人見たこと無いし本当に存在しているの?て感じです。
ただ、意識高い系と言われる人たちには色々と思われるドラマだったんだろうな、とは思います。コンプラ・イデオロギーに染まっているとストーリーの節々が許せなくなるだろうな・・・ということは理解しているし、想像していました。
でもそれってイデオロギーの価値観でしかドラマをジャッジできていなってことですから、普通にドラマの質という面でジャッジする人には全く通用しない理屈なんですね。そこは完全に批判の矛先がずれている。
で、クドカン(プロデューサー?)の凄いところは、最初に手を打ってるって事です。最初から『意識低い系コメディー』を銘打っているおかげで、このドラマにケチ付けている人は意識高い系なんですよ!と暗に先回りして宣言しているんですね。
これは凄いリスク管理です。ドラマの安全保障の面から考えても良く出来ています。
そういうふうにドラマの安全保障面も相当考えに考え込んでいるので、批判側も批判しずらかったのでしょう。というのは私の穿った見方でしょうか?
『不適切にもほどがある』は是非続編か映画化をお願いしたです。なんて願っているのですが、どうなることやら・・・。
(終わり)