今のレコード・ブーム、まじで半端ないです。
まさか、この音源がリリースされるなんて・・・と。
全く想像すらしていませんでした。

まじで今のレコード・ブーム凄すぎです。\(^o^)/

■OVA『ねこぢる草』

 

「今、この作品を憶えている人が一体どの位いるだろうか?・・・」なんて言葉が頭によぎるほど、懐かしくも珍しい(?)作品名でした。もう23年も昔の作品になるんですね・・・と軽く衝撃を受けた程です。本当に久しぶりに『ねこぢる草』なんて言葉を目にしました。
 



OVA『ねこぢる草』は2001年に発売されたオリジナル・ビデオ・アニメーション作品。劇場公開は行われずにフィジカル・リリースのみ行われました。2000年代前半頃、私は『ねこぢる』の漫画が大好きで本を買い集め読み漁っていたので、その延長線上で当映像作品を知りDVDを購入しました。

2000年代後半にはレンタル・アップで格安に販売されていたVHSを見つけたので、ついでに購入しました。VHSは購入してから一度も再生していないので内容は分かりません。多分DVD版と変わらないハズ。値段は破格の50円(!)でした。



OVA『ねこぢる草』は映像がとても綺麗でノスタルジックな雰囲気に満ち溢れています。不思議な物語なんですけど何だか懐かしいというか、そんなアニメ作品となっています。

摩訶不思議なファンタジックさを感じながらも昭和時代の、あの頃の暑い夏の日を思い起こさせるような雰囲気が随所に見られるので、何だか変な感覚(錯覚?)に陥ります。若い人はそこに新しさを感じるかも知れないし、私のようなオジサン世代には懐かしさが愛おしく思える瞬間だっだりします。

未舗装の道路、麦わら帽子。永遠に続きそうな蝉の泣き声と親に頼まれた使い走り。部屋に戻るとそこには古いブラン管テレビと丸いちゃぶ台がポツンとひとつだけ。


(試聴用に貼り付けておきます)
 

そんなレトロ感満載な中、にゃっ太とにゃーこの不思議な大冒険が始まります。

■かなり前衛的な意欲作?

内容的にはかなり難解な作品だと思います。

とてもシュールな作品・・・と言い替えて良いかも知れません。ストーリーは正直あってないようなもので、セリフは全くありません。最低限、伝えたいセリフのみが吹き出し形式で数か所表示されます。

 



ちなみにDVDの裏表紙を見ると表記が全て英語となっていたので、もしかすると最初から海外マーケットを意識し日本語台詞を排除した可能性もありそうです。海外で販売する場合、いくつかの吹き出しセリフに字幕を付けるだけでオッケーですから。

結局、観客はストーリーを全く理解できず、只々にゃっ太とにゃーこの大冒険に身を委ねることとなります。なので時折流れるサウンドトラックがとても重要になってきます。映像以上に、観客の意識に占めるサウンドトラックの割合が大きいような気がしています。

こんなこと書くと只退屈な作品のように思えるかも知れませんが、実はそこがこの作品の奥深いところでもあります。とにかく観ている間想像力が刺激されまくります。摩訶不思議で、且つ、意味の理解できないストーリーだからこそアレコレ深く考え、観終わった後にあの意味深なエンディングが余韻となっていつまでも心に残るのかも知れません。

■まるで映像のサンプリング作品

このOVA『ねこぢる草』に現れる要所要所のエピソードは、漫画家『ねこぢる』がこれまでに発表した過去の漫画作品から抜き出し構成されています。もちろん過去の『ねこぢる』作品を知らなければ分かるはずもないのですが、そのシーンの構成こそがまるで映像のサンプリングのようにも見えます。

過去作の色々なエピソードをランダムに抜き出し、まるでサンプリング・ネタのように扱ってカット・アップした末に完成した映像作品。関係ない元ネタを無理やり継ぎはぎして新たなストーリーを構築している訳ですから、この作品が前衛的に見えても必然というか仕方のないことのように思えてきます。

ただ、一番大事なことは根本に漫画家『ねこぢる』へのリスペクが感じられる。ということです。

第三者が『ねこぢる』に対して一定のリスペクトを捧げつつ、『ねこぢる』作品から元ネタを引っ張り出し自らの発想で大胆にストーリーを再構築する・・・という、その態度こそが正にサンプリングという手法と重なって見えます。誤解を恐れずに言えば、OVA『ねこぢる草』は映像版『ヘッド博士の世界塔』かも知れません。

なんて、これは私の勝手な思い込みでしかないと思いますが・・・。

■漫画家『ねこぢる』の死

上に書きましたが、漫画家『ねこぢる』は1998年に自死により亡くなりました。

この作品は2001年リリースですから、漫画家『ねこぢる』は制作に一切関わっていないと思われます。多分有志が集まり、漫画家『ねこぢる』を弔う気持ちでこの映像作品は制作されたのではないか?・・・と個人的には思っています。

この作品の作品名は『ねこぢる草』ですが、実は『ねこぢる葬』という意味が含まれているような気がして仕方ありません。

原作の漫画作品よりも映像作品の方がインパクトは大きいですから、風化する速度も遅い気がします。実際、OVA『ねこぢる草』を今見直しても全く古臭さは感じませんし、むしろ新しい感性を刺激されている感覚があります。



漫画家『ねこぢる』はトイレのドアノブで紐を首にかけ亡くなったそうです。

 

この事実(?)を知って以来、OVA『ねこぢる草』を見る度にあのエンディングがとても辛く悲しく見えます。にゃっ太がトイレへ行き、部屋に戻ったら誰一人いなかったというあのシーン。そのにゃっ太も直後にブラック・アウトします。

まるで登場人物が漫画家『ねこぢる』の後を追い、天国へと召されたかのようです。

摩訶不思議で理解できないストーリーだからこそ、あのエンディングの余韻が見た人の心にいつまでも残り続けるのかも知れません。

■サウンドトラックがLP盤で発売

まさか23年後の今になってサウンド・トラックが発売されるなんて思ってもいませんでした。しかもアナログLP盤で発売されるなんて・・・。

自分以外に購入する人なんているのだろうか?、なんて思っていたら、タワレコ・オンラインの【欲しい物リスト】には既に6人程登録されていました。案外根強い再発希望があったのかも知れません。みんな物好きだなぁ!(笑)。

漫画家『ねこぢる』が亡くなって既に25年です。今更ですが、月日の経つのが本当に早く感じます。これまでの10年も早かったですが、これからの10年はもっと早く感じるのでしょうね。

 

ヤレヤレです。(´・ω・`)



OVA『ねこぢる草』はAMAZON PRIMEでレンタルされていました。今はフィジカル版は廃盤ですから気になる方は是非レンタルして見てください。

(紹介を修正しました)

 

(終わり)