小沢健二の新しい7インチ・アナログ盤『ラブリーRSE』。
皆さまも抽選に申し込まれたでしょうか?

当選すればいいなぁ・・・。

■2022年は7インチ盤も沢山購入

私は基本的に12インチ盤(LP)派なのですが、最近は7インチ盤にも心を奪われています。

LP盤と較べれば価格が安かったり(多分)掘る人が少ないために競争も少なく割と買いやすいイメージがあったりと、このような理由もメリットに感じる要因だと思いますが、45回転の音質や音圧、2台のターンテーブルで繋ぐことの楽しさ・・・等々を一旦憶えてしまうと、どうしても7インチ盤が無視できない存在となってきました。

レア盤も、LP盤と較べれば7インチ盤の方がゲットし易い気がします。12インチ盤より7インチ盤の方が小回り(?)利きますから、気持ち的にも気軽に聴けるイメージがあって、それも理由の一つとなっているような。大雑把な言い方で申し訳ありませんが。

それで、最近は7インチ盤を好んで買っていました。枚数的にはそこまで多くはありませんが・・・多分50枚くらいでしょうか。

その中から特に買って良かったと思えた7インチ盤を紹介してみよう、と思います。少しレアなレコから、ブクオフで100円セールされているような大衆レコまで。

私は値段では差別しません。決め手は全て私の趣味・嗜好によるものです。中には笑っちゃうようなレコ(失礼!)があるかも知れませんが、いいんです。全て私の正直な気持ちなのですから。

本当はLP盤からも選びたかったのですが、LP盤は枚数がとんでもないことになっているので除外しました。選ぶのも大変だし、そもそもまだ一度も聴いていないLP盤も沢山あります。でも、昨年はLP盤も豊作だったのでいずれ紹介したいです。

という事で、サクっと7インチ盤を10枚程選びました。

■最近は特に『和モノ』に夢中

と、その前に。

選んだ7インチ盤ですが、全て邦楽となっています。でも、これは仕方ないです。購入した7インチ盤は9割以上が邦楽なのですから。

私は2005年からシティ・ポップのアナログ・レコードを掘っていますが、それでも購入レコ全体の1割程度でした。でも最近はシティ・ポップ・ブームの影響がハンパなくて、現在購入しているレコの8割は邦楽で占められています。10年前だったら自分が購入するとは全く思えないレコを、今では嬉々と購入しているのですから自分でも驚きます。

80年代アイドル歌謡の奥深さ、懐の広さ、凄さ、格好良さなどに気づけたのは完全にシティ・ポップ・ブームのおかげです。70年代後半から80年代中頃までの邦楽って宝の山なんです。掘っても掘っても終わりの見えない金脈・・・どころか、また新たな金脈を発見するのですから堪りません。今のJ-POPと比較するとその差は歴然で、雲梯の差を感しています。

それ程までに、私の音楽の趣味・嗜好をシティ・ポップ・ブームは大きく変えてしまいました。私の中に存在する、音楽の良しあしをジャッジする《軸》がシティ・ポップ・ブームのおかげで完全に変わってしまった訳です。

7インチ盤を選ぶにあたって基準はもちろんシティ・ポップをベースとしていますが、あくまでも自分なりの価値観ですから。「それシティ・ポップじゃないよ!」という突っ込みはナシでお願いします。

■買って良かった『7インチ・アナログ盤』

それでは7インチ盤を紹介していきます。

 ●『僕のガールズ / 村松邦男』(1983年) used

 


 
 

 大好きな曲です。シュガーベイブ解散後の村松邦男名義での初シングルだったと思います(間違ってたらごめんなさい)。シティ・ポップ・ブームの渦中にあって人気が出ても良さそうな曲だと思うのですが、何故か注目されないようで不思議です。
 元シュガーベイブと言えば山下達郎と大貫妙子が有名です。でも、村松邦男を忘れちゃいけません。他にも良い曲が沢山あるのでレコが見つかり次第買うよう決めていますが、あまり出回っていないみたいで出会う事は稀です。東京の実店舗へ行くと見つかるのでしょうか?。福岡県のレコ屋やネットだと全然見つからないです。
 もしかすると元のリリース枚数が極端に少ないのかも知れません。流通は大手の徳間ジャパンですがレーベルがジャパン・レコードとなっているので(?)、ひょっとするとインディーズ扱い?。この辺り全く詳しくないので自信ないです。詳しい人いたら是非教えてください。

 ●『ファンタスティック・ラブ・イン・ワンダーランド / 高橋拓也』(1980年) used

 


 
 

 高橋拓也2枚目のアルバムからのシングル・カット。初めて聴く人は一聴してその才能の凄さに驚かれると思います。
 曲中では一貫して響くギターのカッティングのリズム(?)フレーズ(?)が独特でとても格好良く、間奏のギターソロも聴きごたえがあって、気持ちの良い音が沢山詰まっています。アレンジも凝っているので、多分、他では聴けない唯一無二の音楽のような気がしています。
 高橋拓也さんはイケメンだし曲もシティ・ポップで良曲だし、今だったら人気が爆発してもおかしくないと思うのですが、当時は悲しいかな全く(?)売れなかったようです。私には何となくですがクリス・レインボウとイメージが重なって見えます。才能あるのに売れなかった悲劇のアーティスト、みたいな感じです。

 ●『ドキ・ドキ・サマーガール / タケカワユキヒデ』(1982年) used

 


   
 

 現在のシティ・ポップ・ブームに乗せられ70年代末から80年代中頃までの邦楽を掘っていると、改めて実感するのが『ゴダイゴ』の偉大さだったりします。
 当時は子供なので何も考えずヒット曲を聴いている程度でしたから。改めて聴き直すとその曲作りのセンスに驚かされます。
 その『ゴダイゴ』のヴォーカリストでありソング・ライターでもあるタケカワユキヒデ自身名義でのソロ作。少しソフト・ロックよりのニュアンスも感じさせながら、これぞ正しくタケカワユキヒデ・ワールド!。上品で上質なポップ・センスに心の底から唸ってしまいます。

 ●『魅惑シェイプアップ / 内山田洋とクールファイブ』(1980年) used

 


 
 

 まさか、この私が『内山田洋とクールファイブ』のレコードを買う日がくるなんて思ってもいませんでした。10年前の私に教えてあげたい。多分、口から泡吹いてぶっ倒れると思います(失礼です)。
 この曲は『ゴダイゴ』のソング・ライター陣が完全にバックアップしていて、作曲はタケカワユキヒデです。正にセンスの塊で、演歌とポップ・ミュージックの間を行ったり来たりしているような塩梅がとても見事。例えて言うならドリーミーな演歌・シティポップ?・・・でしょうか(なんか違う)。
 今は『内山田洋とクールファイブ』が1970年代後半?にリリースした洋楽のカバーアルバムを探している最中です。見つけても値段が高くなっているかもしれません。レコード・ブームって良い事もあれば悪いこともあるんです。

 ●『ひとりぼっちのクリスマス / シェー・シェ』 (1986年) used

 


 
 

 もう過ぎちゃいましたけど、クリスマス・ソング特集でこの曲が全く取り上げられないのが個人的には不思議で仕方ないです。クリスマス・ソングとしてもトップクラスの出来映えだと思っているのですが・・・。やはり知名度のせいでしょうか?。
 80年代中頃に2年間程活動していたアイドル・バンド(?)のシェーシェ。デビュー当時は第二のチェッカーズなんて言われていたそうで、レコード会社の期待の大きさが伺えます。
 チェッカーズやCCBなど他のアイドル・バンドでも初期はプロ作家の曲を演奏させられていましたが、シェーシェはデビュー当初から自作曲で勝負していたというところが男前!というか格好イイ!です。確かに曲作りは上手いし演奏も上手い。もうちょっと売れて良かったんじゃないか?、なんてついつい思ってしまいます。

 ●『バースデイ / 田中久美』 (1984年) used

 


 
 

 こちらはシングルのB面曲となります。全編で跳ねるリズムが気持ち良く、7インチ盤を回しているとついつい体が動いてしまいます。チープな音作りですが、妙にヴォーカルとマッチしているので悪い印象は受けません。
 田中久美さんは1980年代中頃に芸能界を引退して、北九州市小倉北区にある百貨店『井筒屋』の一階化粧品売り場で売り子さんとして働いていました。当時、私は福岡県に引っ越したばかりで、仲良くなった友人から「元アイドルの子が井筒屋で働いている!」と聞かされたことがあって、それが田中久美さんでした。
 友人はワザワザ井筒屋まで彼女を見に行き「すっげえカワイかったぞ!」と興奮気味で私にいちいち報告してました。どーでもいいっちゅーねん!(笑)。私は誘われたのですが断ったので実際のところ分かりません。若かりし日の、どーでもいい想い出でした(笑)。

 ●『ナンシーCHANG! / 中川勝彦』(1985年) used

 


 
 

 これも大好きな曲です。LP盤はリリース当時(1985年)に購入していましたが、7インチ盤はリミックス曲が収録されていると後から聞き気になっていました。
 俄かに信じられないかも知れませんが、作曲はあの加藤和彦です。踊れる歌謡曲?的なイメージでしょうか。今聴いても全く古臭く感じさせないところが見事です。
 中川勝彦さんと言えば中川翔子(しょこたん)のお父さんという今では誰でも知っている当たり前情報ですが、初めて聞いた時は相当ブッタマゲました。初めて自分のトシ(オジサン)を意識した瞬間でもありました。(´・ω・`)
 後年は中川勝彦自身、ソンググライターとしてメキメキと実力を伸ばしていた時期でしたから、志半ばで病に倒れたことは本当に残念だしとても可哀そうに思います。中川勝彦さんが今生きていたら相当な音楽家になっていたかも知れません。惜しい才能を無くしてしまいました。

 ●『シャドウ・サマー / 石川秀美』(1986年) used

 


 
 

 80年代アイドル歌謡の隠れた名曲だと思っています。グルーヴィーなシティポップ(?)で作曲はあの林哲司が担当。石川秀美のヴォーカルも妖艶な感じでとても良いです。曲のイメージにあっているので完成度に貢献している印象を受けます。
 このジャケはプロモーション・オンリーの見本盤。今年の夏にたまたま見つけて2枚購入しました。正規版の販売用レコは1枚だけ持っていて、予備が欲しいと常々思っていました。このシングルだけ中々見つからなくて諦めかけていた頃です、ようやく見つけた!と思ったら何と見本盤!。しかも2枚も見つかるというミラクル!。本当にラッキーだったと思います。

 ●『グッバイからはじめよう / 佐野元春』(1983年) used

 


 
 

 佐野元春のLP盤は特に珍しくもないので苦労せずに中古盤を購入することが可能です。でも、7インチ盤は案外珍しかったりします。
 この7インチ盤も偶然お店で見つけました。これまでの長いレコ人生で一度っきりです。他では一切見た事ありません。本当に運が良かったです。
 曲は誰でも知っている超有名曲ですので説明は不要でしょう。ただ、あえて言わせてもらえば初期佐野元春サウンドの大名曲。歌詞も凄いです。《ちょうど波のように/サヨナラがきました》って凄くないですか?。
 作詩家としての才能にも改めて気づかされる一曲でした。

 ●『ひと夏のスクリーン / TONY』(1980年) used

 


 
 

 『チューリップ』を脱退したドラマーの方が結成したバンドです。アルバム1枚とシングル数枚を残して直ぐに解散してしまいました。ですが、シティ・ポップ的な曲もあって中々良い感じです。もっと注目されるべきバンドだと思うのですが・・・。
 LP盤のアルバムは昨年夏にジューク・レコードでコンディション最高な中古盤を見つけたので購入。このLP盤が本当に最高で、今回は別途7インチ盤を見つけたので購入しました。
 本当は別曲の7インチ盤を狙っていて、でも見つからないのだから仕方ありません。この曲もメローなシティ・ポップ風で悪くないですし、哀愁を感じさせるアレンジが個人的にツボです。あまり表には出ないバンドなので案外掘り出し物なのかも知れません。

 ●『十人十色 / 大江千里』(1984年) used

 


 
 

 千ちゃんの初期大ヒット(?)曲です。この曲もLP盤はリアルタイムで購入して持っているのですが、45回転で聴きたくて7インチ盤を別途購入しました。割と中古で出回っているイメージでしたが、そこまで出回っていないようです。見つけた時に買わないと後で後悔しそう。
 ヒット曲の7インチ盤の宿命でしょうか。あまり音質は良くありませんでした。以前の所有者がかなり聴きまくっていたみたいで、高音部やヴォーカルの潰れたように聞こえる箇所があります。トーン・コントロールで何とか聞ける状態にセッティングして聴いていますが、やはり気になります。次はコンディションの良い見本盤の中古を購入したいです。

 ●『愛はブーメラン / 松谷祐子』(1984年) used

 


   
 

 日本映画『うるせいやつら2』のエンディング・テーマ曲です。シティ・ポップというより当時の歌謡曲っぽい雰囲気が充満しています。今の耳で聴くと、そこがまた良い感じに聴こえてくるのが不思議です。ダサ格好いい・・・みたいな?感じでしょうか。
 日本映画『うるせいやつら2』は公開当時に劇場で鑑賞しました。同時上映の日本映画『すかんぴんうぉーく』目当てだったので嬉しい誤算でした。まさかアニメ映画がこんなに面白いなんて・・・と、当時本気で驚いたほどです。その映画が後年、カルト映画扱いされる事になるのですから面白いもんです。

 ●『シャングリラ / 脇田もなり』(2022年) new!

 


 
 

 脇田もなりです。私、脇田もなりのヴォーカルが大好きなんです。
 脇田もなりと言えばこれまで歌モノのイメージがありましたが、今回はサウンド志向へ、といったところでしょうか?。音的にはハウスミュージック・クラシック。初めて聴いた時、フランキー・ナックルズかと思いましたよ(汗)。
 1990年頃、このようなハウスを聴きまくっていたので懐かしい気持ちにもなりました。最近の流行でもないと思いますし、実験的な音作りを試したかったのかもしれません。
 抑揚のない平坦で無気質なバック・トラックに気持ちを乗せて歌う事は結構難しそうに思えますが、脇田もなりは聴かせます。本当に彼女はどんな曲調でも歌いこなせる才能があるのでしょう。素晴らしいです。個人的にはこれまでの歌モノ路線の方が好みなのですけれども・・・(汗)。
 次作の7インチ盤『もなりの8ビート』も既に予約済みなので届くのが楽しみです。最近続いているアナログ盤連続リリースが、自分たちの作る音楽に対する自信の表れのように思え頼もしい限りです。これからもアナログ盤でのリリースを是非。 

 ●『フリーソウル・90S / オリジナル・ラブ』(2021年) new!

 

 これはお買い得です。7インチ盤の8枚組BOXセットですが、金額が約8000円ですから一枚当たり1000円です。今日日、新品の7インチ盤が1枚1000円で買えるなんて無いですから。すっごくお得感あります。
 以前リリースされた同BOXセットは即完売したようで、その再発盤です。再発盤の方はまだまだ在庫があるので買える時に買っといた方が良いと思います。多分、次の再発は無いでしょうから。
 注文した時は45回転だと思っていましたが、届いて確認すると33回転だったので地味にがっかりしました。できれば商品ページ等に「33回転」の記載があった方が良かったなぁ、と。
 まぁ、でも金額が安価なので全く問題はありません。総合的には購入して大満足なBOXセットでした。



小沢健二の『ラブリーRSE』ですが、小沢さんがツイッターに書いていた通りです。購入ページには金額の記載が一切なかったので少し戸惑ってしまいました。

どこかに金額が書いてあるハズ!と思うじゃないですか?。で、色々探しても載っていなくて、まぁでも高くて4000円位だろうから・・・と注文していると最後のページで2200円と表示されたのでホッと一安心でした。

今回の販売はレコード会社の直販で抽選という形ですが、できればレコ屋さんに卸した形で販売して欲しかった、なんて思ったりします。

絶対話題になるレコだし売り上げも見込めるでしょうから、レコ屋さんでの販売にすればレコ屋さんの利益になる訳です。どういう意図があって直売の抽選にしたのか分かりませんが、今のフィジカルを扱うレコ屋さんの事も少し考えて欲しかったなぁ・・・というのが正直な気持ちで。すいません、生意気言って。

今の音楽ビジネスは助け合いの精神が必要なのではないでしょうか?、なんて思いました。あの山下達郎のように。

 

(終わり)