「屋根裏の散歩者」
という小説を知っているでしょうか。

江戸川乱歩の短編小説ですが、
内容はまったくそのまま。

暇をもてあましている男が
ある日自分の押入れから
屋根裏に続く道を見つけ、
アパートの住人の私生活をのぞき見ることに快感を覚える
という内容です。

我がアパートにも
その屋根裏の散歩者がいることがわかりました。

うちのアパートは全部屋フラットで、
二階には誰もいません。

前回の2階に住む住人との問題から
引越しを決めた私達は、
次住むところは上に誰もいないところ

と決めていたのです。

しかし今回は想像もしていなかった
屋根裏への不法侵入。
しかも私達の住む部屋から
屋根裏へのアクセスはありません。

「ぎし、ぎし」
という足音が一日中、深夜、朝方ベッドにいる時に響きます。

そして
「ぐおんぐおん」
という何か工具で暖炉の煙突をこするような音。

それは息子が泣き始めると
ぴたっと止まります。

そして次の日また同じ時間帯に響くこの音。

煙突パイプを通して私達の声や
物音は屋根裏に響きますから、
見えはしなくても相手に音は聞こえています。

そして天井裏にアラームかなにかをしかけているようで、
30分おき~1時間おきに
夜中から朝方までピピという電子音。
小さな音で一度だけなるように設定しているようで、
証拠を残すのも困難。

前の隣人問題の時と全く同じパターン

これは単なる偶然なのか
それともつながりがあるのか

偶然とは思えないほど類似しているこの状況に
夫婦で戸惑いを隠せません。

しかし今回の良い点は
大家さんと私達が良い関係であるということ。

大家さんに夫が話すと、
「私も聞いた!もう怖くて怖くて。これは調査するわ。」

と言ってくれました。
どうやら屋根裏の散歩者は
大家さんの部屋までアクセスしていた様子。

早速週末に全部屋を回って屋根裏に続く道を調べたようで、
アクセスできないように封鎖すると言ってくれました。

これで眠れぬ夜は解消できるのでしょうか。

事実は小説よりも奇なり
と言いますが、

人間の異常さが奇抜に表現された 江戸川乱歩小説。
その登場人物と同じ行為をする人間がたくさん生息している
この地域に問題があるのか

それとも人間そのものが本来そういうものなのか

楽しんで読んでいた江戸川乱歩小説も
もう物語として読めなくなりそうです。