2024/4/20【邂逅】思いがけない出会い、巡り合いという意味らしい。


私がこの曲を聴いて思ったのは、❝あなた❞はもうこの世界に存在していない、もしくは主人公の世界からは失われていて、

絶望もしくは諦めから、わずかな希望と葛藤を表しているのかなと。

あと、輪廻転生とか死んだあとの救いとか、そんなのが浮かんだ。


その事から、私は❝あなた❞にはもう現実的に対面するんじゃなくて、心の拠り所として、

"白銀の道を渡った後"に逢える事を切に願っている曲なのかなと思った。


最初の「夜に塗られた水面に 月が引いた白銀の道 いつかこの足で渡っていく 必ずもう一度逢える」

の部分がそれで、

ムーンリバーとか、はちみつとクローバーのリカさんを思い出した。

あと零の刺青の聲と月蝕の仮面も思い出した。


月が引いた白銀の道は現実には渡る事が出来ない=死を連想。

はちみつとクローバーではリカさんは、亡くなった旦那さんにムーンリバーにいざなわれる描写があったから。


「命は譲らずに 息をするだけのかたまり」

は後を追うことも動く事も出来ず、文字通り息をするしか出来ないって事かな。


そこからムーンリバーの和訳を見ると、二人は広い世界に旅立ち、二人が目指すのは同じ虹の向こうってのがあったから、ARROWSのような世界観なのかなと思った。

同じ目的地に行く=死ぬ(存在が消える)=必ずもう一度逢える、かなと思った。


❝あなた❞=月=死ぬまで埋まらない心の穴と考えれば、白銀の道は人生とも捉えられるし、

月は一生手の届かない存在とも解釈出来る。


今回は対比がもの凄く多かった。

過去・今・未来、

「そばにいて〜」は夢の中できっと❝あなた❞逢えて希望を持って、「夜明けが星空を迎えに来たら 私の過去が繋いだ未来を選ぶから」「いつかこの足で渡っていく」で現実に戻る。


藤くんの歌詞では希望と絶望の対比がよく使われる。

主人公はあなたがいなくなり動く事も出来ないくらい絶望した人生だけど、「涙はついてきてくれるから (=死ぬまで忘れる事は出来ない(希望))死ぬまで埋まらない心の穴が あなたのいない未来を生きろとそう謳う」「必ずもう一度逢える(死は必ず誰にも訪れるから希望)」


何でBUMP OF CHICKENは私が思ってる事とドンピシャな曲・歌詞を、ドンピシャなタイミングで出してくるんだろ滝汗

エスパーか滝汗



「そばにいて」とか「抱きしめて」とかありがちな歌詞だけど、BUMP が使えば珍しい気がするのは何でだろw

メロディーラインは転調を繰り返すと不快な感覚になりがちなのに、ものすごく耳心地が良い。


「涙はついてきてくれるから 死ぬまで埋まらない心の穴が 

あなたのいない未来を生きろとそう謳う」


この歌詞を聴いた時、この考察を思いついた時鳥肌が

たった。


今までこれだけの楽曲の歌詞を書き下ろしながら、

これほどの歌詞を書ける藤原基央の恐ろしさに身の毛がよだつと同時に、尊敬の念を禁じ得ない。

壮大な物語を読んだあとのような感覚になった。


BUMP OF CHICKENは、藤原基央は、これからも鳥肌がたつような楽曲を出し続けて行くんだろう。

ずっと見届けて行きたい、白銀の道を渡るまで。