そんな中で6日目スタート!
最近すっかりお馴染みになった悪路。
今日もそれはそれは悪路だった。
アメリカ横断時には6,000km近く走ったが、初めての経験。
東京のコンクリートジャングルの中で生活していると、地球ってグレーに見えないのかなと思ってしまうが、これだけ自然があれば緑に見えるのも納得である。
ただもう少しコンクリートの道を作ってください。お願いします。
そんなこんなで最初の20kmくらいを走るのに、なんと2時間もかかってしまった。
(普通は大体1時間くらい)
しかし、この悪路を抜けると、
リヨンはパリを出てから一つ目のチェックポイントにしていた大きな街。
リヨンの看板が出てからはしっかりとコンクリートの道が続きとても走りやすかった。
久しぶりに風を切りながら景色を楽しむ余裕も出てきた。
「もしこの街で生まれてたらどんな人生だったんだろう」
「ここに住んでる人は学校どうしてるんだろう」
と妄想しながら走っていると、自転車に乗ったおじさんに抜かれた。
そして、「ボンジュール」と言い残して颯爽と去って行った。
抜かれた瞬間はなんとも思わなかったが、徐々に遠くなる彼の背中を見ていたら、急に悔しさが込み上げてきた。
あー、これ絶対夜寝る前に悔しさを思い出すやつだ。
と思ったら居ても立っても居られなかった。
ギアを一段上げ、力一杯漕ぐ。
全身から汗が吹き出す。
息が切れる。
腿前が鉛の様に重くなる。
それでも更に力を入れて漕ぐ。
この後の行程なんてどうでもいい。
兎に角アイツに勝ちたい。
景色を楽しむ余裕はない。
視界にあるのはヤツの背中だけ。
徐々に背中が近くなってくる。
そして追い付いた。
喉は血の味がする。
それでも何とか最後の力を振り絞り、一言。
「ボンジュール」
-----------------------------------------------
そんなふざけたことをしていたら、あっという間にリヨンに到着。
まず一つ目のチェックポイント通過。
いやー、いいペース!
明日からも頑張るぜ!
-----------------------------------------------
さて、今日の一番の収穫は、フランス版Walmartを見つけたこと。
何でも取り揃えているWalmartは間違いなくアメリカ横断の影の立役者。
困った時はいつもWalmartに助けられてきた。
そんなWalmartのフランス版を遂に発見。
そして、ちゃんと自転車コーナーもありました。
そんなフランス版Walmartで、先日のパンクでストックが減ってしまったタイヤチューブを買おうとレジ待ちしていた時のこと。
Walmartと同じく、みんな大量に買い込む。
僕の前に並んでいた女性も例に漏れず、それはすごい量を買い物カゴに乗せていた。
その女性がタイヤチューブしか持っていない僕を見て、
「先にお会計していいわよ」と。
もろちんフランス語。僕には理解できない。
「ごめんなさい。フランス語分からないのですが、英語話せますか?」
という僕に、どうにか伝えようとレジの店員と話し込む。
そう、みんな英語が話せない。
この時既に僕の後ろには4,5人ほどの列が。
そんな並んでる人たちも巻き込み、何とか伝えようとしてくれるが、全く分からない。
言語は難しい。
最終的にGoogle翻訳を使い、何とか理解。
僕が先にお会計を済ませると一同拍手。
あぁ、なんてフランス人は温かいんだろう。
そう。ご察しの通り、普通に並んでいた方が早くお会計が済んでいただろう。
現在地:サン=ジュニ=ラヴァル
6日目の走行距離:81km
横山諒平