1986年日本公開  ブラジル・アメリカ映画
監 督)ヘクトール・バベンコ
出演者)
    ウィリアム・ハート =モリ―ナ
    ラウル・ジュリア  =ヴァレンティン
    ソニア・ブラガ   =レ二/マルタ/蜘蛛女
  ホセ・レーゴイ =刑務所長   etc,
    
この作品でウィリアム・ハートは
第58回アカデミー賞の主演男優賞を受賞する。

久々にこの作品を鑑賞。
公開当時は途中で挫折した記憶が・・・ガーン

今回は、あれから多少なりともいろんな経験を積み、
この作品の根幹でもある,ラブラブ人を愛することラブラブ恋の矢
時には生きる支えに、時には生きる障害に、
時には自分の命を捧げてもいい思うくらいの、
それぞれの愛の形の奥深さを
今の歳になってやっと、感じ取れたように思う。

観ていて胸が苦しくなった。


物語は、南米のある獄房の一室で、
同室に投獄されている
男2人のお話し。

一人は未成年者に対する性犯罪で投獄された
ゲイのモリーナ。
もう一人は政治犯ヴァレンティン。

革命に燃える男ヴァレンティンにとっては、
初めはただのゲイで男らしくない極みのモリ―ナを
毛嫌いしていた。

しかし、毎日退屈で単調な日々を少しでもよりよく過ごせたら
との思いからか、ふてくされもせず前向きに暮らすモリ―ナ。

その一遍として、モリ―ナは過去に観た映画の話を
一人芝居のように感情豊かに語り始める。

退屈しのぎに聞き入るヴァレンティン。

映画話を介して、2人に会話のきっかけ
ができ、互いの心が少しづつ開き始める。

ゲイであるモリ―ナの理想の男性は
謙虚で統率力がある男・・・・・

今まではいい男と巡り合えなかったと孤独を抱え
生きてきた。

その理想に近いヴァレンティンに徐々に、
知らず知らずに惹かれ始めるモリーナだった。


しかし、実はモリ―ナは長い投獄生活からの
脱却を条件に、ヴァレンティンと親しくなり
政治犯の組織の秘密を聞き出すように
刑務所長からの依頼を承諾していた・・・・・

揺れ動く女心と、
可哀想に一人残る母の元に早く戻りたい思いと、
苦しくもがきたくなる思いがひしひしと伝わり、
ひとときの逃げ場が映画の話に身を置き
耐え忍ぶこと・・・・・
本当に観た映画の話なのか、
元々は妄想なのか・・・・・・・
そんなことなどどうでもいい

ヴァレンティンも政治犯という重い罪で
投獄されてる以上、
生きてここから出れないだろう覚悟が見え隠れし、
互いは互いを慰め合い、
二人は磁石が引き合うように自然に
愛し合うようになってしまう・・・・

しかし、警察署の約束を果たさなくては
ならないモリーナがとった行動は・・・・・



どういう状況であれ、必死で生きている人の姿を見た気がするたいショック!