一番好きな風景写真ある?
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レジに並ぶとわかった。異常に並んでいるのは繁盛しているわけではない。ひとりの客がレジ係になにやらクレームをつけてその場から動こうとしない。「お買い得と書いてあったのに得した気分にならない!」 男は言う、「嘘ついたの? ふざけるな! でしょ?」
ふたりの従業員がそれに対応して客の言い分に耳を貸している。しかし納得のしようがない。うまく説明することはできないがさらに興奮されても困る。だから丁寧に受け止めて言葉すくなくこちらの立場をくちにする。そして早くレジを開放してほしい。
気が収まりかけたように見えてまた声を荒げる。それを何度かくりかえししばらく男はレジにとどまる。
「お客様、こちらはレジ担当でクレーム係ではございません」 割って入ったのは後方に並んでいた男だ。「私がクレーム係りのところまでお客様を案内します」 そう言って行列ができたことを男に見てもらい、「みなさんお急ぎなのでどうぞこちらへ!」
レジ係りにその男は〝あとは任せて!〟というふうに手で合図をいれる男、クレーム男を案内して店を出ていく。「1分ほど先に事務所があります。話はそこで詳しくお伺いますので安心してください」 彼は商店街のすこし先をめざす。「……ゴールデンウィークの予定とかって、ありますか?」
「ねぇーよ、そんなもん!」
「あっ、着きました!」
「なに言っているんだ、交番じゃねぇーか!」
「私の仕事場です。ここで詳しくお話をお伺いしますので、さっ、こちらへ!」
「おい!」身を構える男、「嘘ついたな!」
つづく!