ほら!ゾウがいたよ!
って言うことができたし(ひとりサファリでは、オォと呟くことしかできない)、何より食事が楽しい。
ボツワナ2日目の夜に、スーパーで肉など買い込んで自炊したのだが、これがすごく楽しい。
自炊なんて10年くらいしていないし、家に鍋すら無いぼくは主に写真係なのだが、みんなで料理をするのがこんなに楽しいなんて。
ワインオープナーが無くて、宿のお兄さんがナイフを使って力づくで開けると、中身が飛散しテーブルが赤ワインまみれになっても、楽しい。
俵万智風に詠むと
アフリカの夜
ワインがテーブルを汚しても
楽しい
ってな感じである。
ちなみに、大学同級生ズは、ぼくの大学時代の同級生というわけではなく、ぼくだけ赤の他人。
見ず知らずの小汚い怪しげでコミ障気味な小太りのぼくを受け入れて頂き、ただただ感謝しかないのであった。
とはいえ、10年ぶりに再会した、という彼らのプライベートな時間も必要な気がしていて(そんなことはない、と彼らは言うだろうが)、ここで別行動をすることにしたのだった。
まあ、ただぼくがジンバブエに行きたかっただけなのだが(同級生ズはザンビアに戻るとのこと)、とにかくザンビア、ジンバブエ、ボツワナ国境でぼくらは別れた。
ジンバブエのヴィクトリアフォールズという街は、思っていたより観光地でお洒落なカフェやら、高級ホテルやらが軒を連ねていた。
ぼくは街のはずれの安宿に部屋をとった。
ここでやるべきことはただ1つ。街の名前と同じ、ヴィクトリアフォールズという滝を観に行くのだ。
さて、ひとりで観に行くかと思ったが、ホテルのフリースペースで日本人に出会った。
すごく髪が長い男性と、すごく髪が薄い男性の両極端な2人組である。
「滝、行きました?」
と聞くと、
「まだです」
と答え、これは、ぜひ一緒に、という流れなのだが、その2人組はそのままどこかへ行ってしまった。
ぼくは宿をでで、ひとりで滝に向かうことにした。
ヴィクトリアフォールズの窓口で、日本人のツアー客御一行に遭遇。
声をかけようとするも、ツアー客の年配のご貴人が、
「これで、世界三大瀑布制覇です。ふぉっふぉっふぉっ」
と言っているのを聞いて、やめた。
滝は、見るべき場所が沢山あって、見応え抜群。日が沈む直前に行ったので、夕日に照らされた美しい姿を見ることができた。
宿にもどるも、やることがなく、ただネコと遊ぶ。
ぼくが飽きる前にネコが飽きる。
先程話した日本人は姿を見かけない。
そして、翌日ザンビアのリビングストンで、同級生ズと再会するのだった。