大正14年7月の童謡誌『赤い鳥』の歌として「酸模(スカンポ)の咲く頃」が掲載されています
 *『日本の歌』 野ばら社 1984年初版

 ♪土手のスカンポ(酸模) ジャワさらさ(更紗) 昼は蛍がねんねする
     僕ら小学尋常科 今朝も通って またもどる 
        スカンポスカンポ 川のふち 夏が来た来た ドレミファソ

関西でこの歌を御存知な人はそんなに多くはないと感じていますが、スカンポが採れる
この季節の歌として欠かせないので、僅かな期間だけの「旬のスカンポ」を収穫して
持参することを毎年楽しみにしています。

歌とは異なり、殆どの人が実物を見るだけで、「スカンポや」「イタドリちゃう」「イタンボやん」
「土手にあったね」「塩つけて食べてた」「子供のころに食べた」「水車にもなるで」・・・
地域や行政の音楽療法だけではなく、認知症グループホームでも多くの皆様が懐かしく話され、
毎年ですが、若い職員さんはその反応に驚かれることになります。
スカンポは置いて帰りますので、後で皆様から多くの懐かしい話を聞かれることでしょう。

若い世代へ語り継がれる伝承文化として、五感を豊かにするスカンポは楽しいです。
途中から参加された98才の男性は。スカンポを見るなり笑顔で懐かしそうに多くを語られました。
季節ならではの実物は、子供のころの懐かしい思い出が蘇り、饒舌に語られることに繋がります。
亡き義父が楽し気に話したスカンポ話のひと時を思い出します。

田舎の庭にあったスカンポは既に伸びすぎて固くなっていましたが、節ごとに切って鳴らす
スカンポ笛には最適で、実際にその場で少しずつ切りながら笛の音程を楽しみます。
音の変化は驚きの声とともに拍手までおきる反応があります。

さらに、歌詞は北原白秋さんで作曲は山田耕筰さんをお伝えすると、やはり多くの人から
驚きの反応があります。大正7年から始まったといわれる‘童謡運動’に関わられた二人です。
元々、子供向けに文学的な作品の詩を作ることから始まりましたが、創刊者の鈴木三重吉の
紹介で出会った二人が作った歌は反響が大きかったようで、20年以上の付き合いになって
いくことになります。一流の詩人と作曲家の二人が「この道」「からたちの花」などを発表して、
童謡のジャンルを確立し、発展させていきました

調べてみると、この‘スカンポの咲く頃’は北原白秋さんが40才の頃に発表されており、
ちょうど二人目の子供が生まれた時期になります。3才上の一人目の子供がいますので
土手を散歩しながら歌詞を作られたのでは?と想像したりしますが、遅くに出来た子供さんからの
影響は少なからずあったと感じます。

そんな北原白秋さんに、高齢者の皆様の反応をお伝えしたい気持ちです

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◆記念イベント 編集委員対談「生誕140年、白秋の作品を思い出す」
出 演:中島国彦(館理事長・本展編集委員)・ 坪井秀人(本展編集委員)
日時:2025年 4月26日(土) 14 : 00~15 : 30 於:日本近代文学館 講堂
参加費:一般800円、維持会・友の会会員600円、学生500円
※展示観覧料込。維持会・友の会会員の方は会員証を、学生の方は学生証を当日ご提示ください。
※要事前申込
 メールかお電話にて受け付けます。
 お名前とお電話番号、区分(会員・一般・学生)をお知らせください。
 メール:hakushu-event☆bungakukan.or.jp(☆を@に変えてください)
 電話:03-3468-4181

日本近代文学館のHP
https://www.bungakukan.or.jp/cat-exhibition/15407/