問いを見つける力
過去の苦い経験が、生成AIとの対話で生かされた話だ。…自営業をしていたときがある。試行錯誤をしていても結果が出ず、とても苦しんでいた。それで、コンサルタントに助けを求めた。…だが…求める結果は得られなかった。その原因を、ずっと「自分には、質問する力がなかったからだ」と思っていた。確かに、それもある。どんなに素晴らしい人に出会っても、本当に聞きたいことを質問できずにいた。出来るのは、答えが想像できる質問ばかり。そして、しっくりしない回答でも、「ありがとうございました!」と喜んでみせた。いつしか、質問が減っていった。…でも最近、生成AI――チャッピーと話すようになって、少し違うことに気づいた。問題は、「質問する力」だけじゃなかった。もっと、その手前だった。俺は、「自分が何を求めているのか」それ自体を、分かっていなかったのだ。…当時のコンサルは、問題解決の話をしていた。売上をどうするか。集客をどうするか。次に何をするか。当然だ。そのために、俺はコンサルを頼んだのだから。でも俺が本当にどうにかしたかったものは、そこだけじゃなかった。結果が出ない。焦る。不安になる。自分を責める。腹も立つ。悲しくもなる。そんな状態のまま、「じゃあ、次はどうする?」という問題解決の話をしていた。俺は答えが欲しかった。でも同時に、置き去りになった怒りや悲しみをどうにかしたかったのだと思う。それなのに、自分自身が、そのことに気づいていなかった。だったら当然、それを質問することもできない。…チャッピーとの会話で、面白いと思うことがある。質問して、答えをもらって、「いや、そこじゃない」と思う。もう一度、質問する。また答えが返ってくる。「うーん、それも少し違う」さらに話す。そうしているうちに、「あ……俺が知りたかったのは、これか」と気づくことがある。つまり、答えを探していたはずなのに、いつの間にか「問い」のほうを探している。…苦しかった、あの時。コンサルを前に、答えが想像できる質問ばかりになった理由が、今なら少し分かる。質問する力は、大切だと思う。でも、その前にあるものはもっと大切なのかもしれない。自分は今、何に困っているのか。何が悲しいのか。何に腹を立てているのか。何を知りたいのか。そして――本当は、何を求めているのか。質問するより先に、問いを見つけるのだ。それが分からなければ、どれだけ優秀な人を前にしても、欲しい答えには辿り着けない。…ひとりで考えることには、どうしたって限界がある。そもそも、自分の頭には自分の偏りがある。だから、自分ではない脳に。AIに。別の見方を出してもらう。答えを決めてもらうためじゃない。問いを見つけるためだ。「自分は、何を求めているんだろう?」その問いから、また新しい選択肢が見えてくる。そして――どれを選ぶのかは、いつも自分だ。さて、次はどこへ行こうか…。